変化 [2025/05/17,11:07:14]
久しぶりの東京だったが街は外国人だらけ。定宿が九段下で、歩いて皇居に行ける距離なので、特に外国人が多い。神保町もかなり変わっていた。すずらん通りのど真ん中に、なんとホテルができていた。それもただのホテルではない。「ブックホテル」なるもので、本を読む人のための宿泊施設、といううたい文句だ。一度泊まってみようかしら。同じ通りに足の爪切り専門店「足楽」という店舗が大きな広告看板を出していた。これもかなり魅力的だ。この年になると体をかがめて足爪を切るのが大仕事で、おっくうだ。値段は7千円前後、ちょっと高いなあ。「たまごかけ麺」専門店もできていた。麺に卵をかける、という意味がいまひとつ分からない。でも繁盛しているようだ。これは自分の価値感の領域を超えているのでコメントは控えたい。とにかく週日なのに、お祭りのように人があふれ出ているから、ボーっとした頭では歩けない。歩くのにも緊張を強いる街だ。くわばらくわばら。
水泳 [2025/05/16,11:32:20]
やはり緊張感があったのだろう、夜寝たのが11時で、起きたのは9時。熟睡した。気分のいい目覚めで、出張前のけだるい微熱のような体のほてりがすっかり消えている。東京でいっぱい汗をかいて、風邪は吹っ飛んだのだろう。また秋田での日常が始まった。やることは山のようにあり、その優先順位を考えるのも楽しい。しんどいことも多いが、それも含めて、仕事は楽しい。東京では3日間、アルコールを口にしなかった。これはたぶん初めての経験だ。外に出るとなるべく乗り物を使わず、自分の足で歩き回ったのだが、思った以上に体力が落ちていることを痛感した。やはり筋トレは必要だ。昔のように気楽に山歩きするのも、クマの問題もあり、難しくなっている。山に替わって「水泳」を復活してみようかと、近所のスポーツジムに入会してみることにした。まだ泳いではいないのだが、ジムは事務所のすぐそば、いつでも行ける気軽さが、逆に足を遠のかせている。自分の性格からして泳ぎ始めると夢中になってプール通いを始めるのは目に見えている。犠牲になるのは仕事だ。これもちょっと困る。はてされどうしたものか。
三日目 [2025/05/16,11:12:39]
ゆっくり寝坊してシャワーを浴びて10時チェックアウト。いつものように歩いて九段下から東京駅まで。途中で神保町隣の神田錦町にある「ほぼ日ビル」を見に行く。あの糸井重里さんの会社だ。このビルは元精興社があった場所で、精興社活字として有名な老舗印刷屋さん。昔から見覚えのある場所だ。ビルに併設したギャラリーで「蓮尾佳由個展」が始まっていて、このポスターの絵を見た瞬間、自分に「直球ドストライク」だとわかり、ためらわず入り、じっくりとを見てきた。この絵は好きだなあ。なんと絵を描いた本人も会場にいて名刺交換までさせてもらった。みんな偶然のたまものなのだが、こんなことがあるから人生は侮れない。ウキウキ気分のまま、東京駅まで歩きとおした。東京駅では大丸デパート7階の紳士服売り場「英国屋」カフェーで、去年なくなった石川好さんの奥さんと待ち合わせ。彼女は作家でもある。亡き夫のことを書いている本の取材も兼ねてのことだ。秋田時代の石川さんのことを1時間以上楽しくおしゃべりした。こんなんで参考になったかしら。終わって1700円の幕の内弁当を買い込み、新幹線に乗り込み、ようやく三日間の東京出張は終わった。
二日目 [2025/05/16,10:33:14]
朝6時半起き。水道橋のホテルを出て新宿駅へ。ここから小田急線で秦野市へ。小田急線にはほとんど乗ったことがないのだが、よく耳にする駅名が路線にはたくさんあることにまずは驚いた。秦野市からはタクシーで民俗写真家・須藤功さん宅へ。87歳になる須藤さんは独り暮らしで、その3LDKのマンションは「資料庫兼仕事場」になっていて、不思議なことに生活臭がみじんもない。整然と写真資料が整理され、このまま資料を持ち帰っても、図書館の一角に「須藤功民俗写真記念館」が一夜にしてできてしまいそうだ。須藤さんは今も月刊誌の連載や新刊が年1回は出版される現役の民俗研究家だ。体力的に写真を撮る機会は減ったが、かわって原稿を書くのが大好き、と嬉しそうにいう。師匠の宮本常一には「生活史を撮る写真家は、文章を書けなければ絶対ダメ」と徹底的に言われ続けたのだそうだ。だから今も、生まれ故郷のこと、菅江真澄のこと、昔のフィールドワークの思い出、書き洩らした民俗の話のあれこれ、を毎日休むことなく机に向かって書き続けている。その旺盛な執筆意欲には圧倒された。秦野から神保町まで戻り、須郷さんのエネルギーに吸い取られたエネルギーを補充するため200グラムのステーキを奮発したが、須郷さんのそれには足元にも及ばない。ご飯もお替りしたのに。夜は神保町周辺の本屋をはしご。刺激的な本には巡り合えなかった。宿に帰って『バッタを倒しにアフリカへ』(光文社文庫)を読みだしたらやめられなくなった。一昔前のベストセラーでカミさんの本棚にあったものを拝借してきたもの。著者の前野ウルド浩太郎さんの熱い「秋田魂」にベッドで大笑いしながら読了した。
一日目 [2025/05/14,14:43:45]
東京初日。新幹線から降りて、わき目も振らず水道橋のホテルに直行。まずは一休み。ロビーは外国人だらけ。ここは常宿なのだが、なぜか1泊目と2泊の宿代が2倍違う。意味が分からない。神保町を散策して夜は地方小のK社長と一献。これもまあいつものこと。特筆すべきなのは、飲み会でノンアルを最後まで通したこと。ノンアルは結構うまいし、何よりも酒を飲みたいという気がまったく起きなかった。医者に止められているわけでもないし、健康のための節酒という気も全くない。もうノンアルで十分な身体になったのだ。ホテルに帰って、風呂に入って、明日の仕事のおさらいをして、10時には寝てしまった。風邪気味だったが、体調はほとんど元に戻った。本番は明日。新宿から1時間以上かけて神奈川秦野市まで行く予定だ。朝は6時半起き。酒が入っていないから逆にぐっすり眠れそうだ。
東京 [2025/05/13,08:47:00]
今日から東京2泊3日の東京出張。昨夜から緊張している。なにせコロナ禍以降、5年ぶりだ。おまけに3日ほど前から風邪気味で、体調はまだ回復途上。東京では連日、大切な方々と会う予定だ。こちらの体調が悪くては、いろんな意味でご迷惑をおかけすることになる。その不安に対する「緊張」もある。死ぬまでは何回か上京する機会が、まだあるのかもしれないが、本心を言うと、もうできるだけ秋田を動きたくない。東京にはまったく魅力を感じない。外国もまたしかり。これは高齢や体力的な理由ばかりではない(ような気がする)。今はまだうまく言えないのだが、他にやらなければならないことが、列をなして待っているので東京の優先順位は自然に低くなる。ブレザーを着るのも久しぶり。Yシャツは半そでなので、もう東京モードにはいっている。電車で読む本は、読みかけの吉川トリコ『余命1年、男をかう』(講談社文庫)。半分まで読んだのだが、あまりに面白く、電車に持ち込むことにした。東京での愉しみといえば「書店めぐり」。書店なんて何年も秋田では入ったことがない。東京の数少ない楽しみだ。
病気 [2025/05/12,10:11:09]
けっきょくこの週末は2日間とも事務所のソファーで寝てすごした。病気の時ぐらい、家で寝てろよ、と言われそうだが、事務所のほうが何かと便利がいい。まだ少しは身体がだるいのだが、今日は平常な体調に近い。2日前は確かに熱っぽく、動くのが苦痛だったが、怖くて熱を計れなかった。数日後に東京出張があり、これだけは自分都合で「やーめた」といかないからだ。市販薬を飲んでじっとしているだけだが、この2日間でかなり正常に戻りつつある。音楽もテレビも本も食事もパソコンも事務所にいると自由に使える。これが利点だが、心の隅っこに常に仕事の影が忍び寄っても来る。精神衛生上は問題があるのかもしれない。1日フルに休んで、身体から熱が少し抜け、軽くなった。2日目は汗が出て、だるさが抜け出すのが分かった。疲労が病気の元なんだろう。3日目だが、なんとなくだるさはまだ残っているが、体調は普通の状態まで戻った。でも散歩は無理だし食欲もないから、まだ油断はできない。出張の準備をしなければ。
「人が減る社会で起こること」 [2025/05/11,12:23:29]
ルポ「人が減る社会で起こること」(岩波書店)を一晩で読了。著者の工藤哲さんは毎日新聞秋田支局の記者。だが、本の目立つところに、その会社名は見当たらない。新聞連載ではなく個人が出版元のために書き下ろした本なのである。サブタイトルに「秋田〈少子高齢課題県〉はいま」とあり、帯には大きく「秋田は日本の未来である」と書かれている。目次構成もなかなか興味を引く。1章が「人口減少の現在地」で2章が「迫るツキノワグマ」、3章は「しょっぱさの壁」、4章が「もったいない秋田」という4章構成だ。過疎の問題にクマや食文化、観光問題を、脇役ではなく主人公として取り上げているのが目新しい。著者の個人的関心を優先しているからだろう。著者とは面識がある。秋田の前の赴任地が中国・上海で、そこでも数冊、連載ではない本を書いている記者だ。この本で特に面白いのは「しょっぱさの壁」で、塩分摂りすぎの弊害を社会問題として分析している。著者の両親は青森出身で、本人も東北の食の味の濃さは十分知っているつもりだったが、それにしても秋田は度が過ぎる、と嘆いている。このへんも新聞連載では書けない個人的見解優先で、この本の魅力のひとつなのかもしれない。
巨樹 [2025/05/11,12:02:17]
今週のHP写真は湯沢市の愛宕町にあるケヤキの巨樹です。樹齢400年で、私の通った湯沢高校のすぐそばにあるのですが、通学路が反対側だったため、学生時代はほとんど目にしていません。だから新鮮で、これは最近撮った写真です。この日誌を書くのが1日遅れました。昨日ちょっと風邪気味で、体がだるく、ずっと寝ていました。多分疲労からくるもので、食欲もなく、寒気がずっと続き、厚着をしてストーブを焚き、うずくまっていました。どうにか気怠さは取れましたが、久しぶりの病気です。1日で回復したので、またすぐ増長しそうですが、健康って本当にありがたい。
映画 [2025/05/09,09:31:05]
この頃、なんとなくプロ野球も見なくなった。ダラダラした試合運びに飽きが来た。録画した映画を見ているのだが、昨夜はヒッチコックの「北北西に進路をとれ」で、これも何度目かだが細部を忘れているので、かなり面白かった。お決まりのように冒頭にバスに乗り遅れるヒッチコック自身が映っている。ところで地理音痴なので「北北西」って、どんな方角? 慌てふためいてあらぬ方向を目指してしまう、という主人公の心理を言い間違えの方角で表した「映画タイトル」というのが答えのようだが、本当なのかなあ。先週はB・ピットの歴史戦争映画「トロイ」を見た。これも面白かった。トロイの木馬やホメーロスの「イリアス」のことは知っていたが、活字で読むより、こうしてわかりやすい映画にしてもらうと、いろんなkとが一挙に溶解した。映画は素晴らしい。しかし、トロイの木馬ってあんなにデカかったんだ。 

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