上皇 [2021/10/26,10:29:09]
連日のように皇室の結婚問題が報じられ、「上皇」という聞きなれなかった言葉も、もう人口に膾炙している。でもその歴史をたどれば、明治以降は天皇の譲位というのはなく、上皇の復活というのは180年ぶりのことだ。私たちは実に珍しい伝統の復活を、この21世紀に目の当たりにした、のである。院政は江戸時代、19世紀初頭の光格院政が最後で、彼の死とともに終わっている。私がハマっている中世という時代は、この「院政」とともに始まった。天皇は万世一系といわれるが、実は天皇よりも上皇が権力を持つ伝統のほうが長く続いている、というのもあまり知られていない事実だ。天皇は公的な地位で律令制度の規制の中にいる。ところが上皇は「天皇の父」という私的な存在で、なににも規制されない存在だ。そこで朝廷の人事や政策に自由に口出しができたため、みんな上皇になりたがったのである。上皇というシステムは時代にうまくマッチしながら存続してきた。でも江戸時代に入っても院政は続いていた、というのはちょっとビックリするよね。
気配 [2021/10/25,10:37:58]
散歩の途中に「かならず青になる信号機」がある。前にも書いたのだが、いまもかわらずその信号機の前に立つと不思議なのだが信号はみごとに赤から青に替わる。ほとんどこの場所では「待った」記憶がないのだ。普段から霊魂とか占いとか奇跡とか、新興宗教のようなことは大嫌いだ。でもこの信号機だけは、なんだか見えない力が働いているような気がして、理屈ではとても割り切れない思いがある。ここ数年、ほとんど親交のなかったA君が、なぜか山歩きの時などしきりに脳裏をよぎるようになった。なんでだろうと思っていたのだが、最近A君はわたしの近所に引っ越していたことがわかった……これって霊感? 確かに科学的に証明できない不可思議な現象が身の回りには時々起こる。肉親の死に関しても、なんとなく死を予感させるような出来事が身の回りに起きる例はよく聞くところだ。無理やり言葉にすれば「気配」とでも言うしかない現象だ。確かに「気配」というのは、間違いなくある。
料理三昧 [2021/10/24,12:47:53]
週末は事務所で料理三昧。お昼や晩酌のつまみをまとめて作ってしまう。まずは昼の定番カンテンつくり。これはけっこう手間ひまかかるが、ないと私の昼は成り立たない。次はお米。焚いておにぎりを作り冷凍(5合)する。卵は5個を目玉焼きにして、残りの5個はゆで卵に。これもおやつとしてはけっこう重宝する。ハイボールや紅茶用にレモンのスライスも作って冷凍にしておく。家の分と合わせて毎日食卓に上がるヨーグルトも自家製だ。1リットルの牛乳を最低3本は使う。大好きなソーセージは輪切りにして焼いたものをタッパに保存、これで酒のアテはばっちりだ。最近は豚肉ロースの生姜炒めに凝っている。夕飯のおかずに困ったとき、これがあれば何もいらない。最後の一品はポテトサラダ。まったく火を使わず、レンジだけで作るやつだ。これも家と事務所の両方用なので、ジャガイモ4,5個は使う。こんな具合で私の週末の半日はつぶれてしまう。
木の葉 [2021/10/23,10:55:10]
来年、弊舎は創業50年を迎える。その時のために「50年史」を編んでいる。といっても大げさなものではなく、いたって簡易的な作業年表なのだが、前半の30年史はすでに出版済みだ。後半の現在までの20年間を編集しているわけだが、この後半戦は、ほとんど悪戦苦闘の日々といっていい。ほとんど下り坂をトボトボと下山中、というアンバイである。個人的にはやたらと県内外に小旅行をしているのはどうしたわけだろう。家や事務所のリフォーム、改修工事をのべつ幕なし、毎年のように行っている理由もよくわからない。その一方で出版点数はガクンガクンと年を経るごとに減っている。これはけっこう「衝撃的」だ。こうして俯瞰的視点から自分のしてきた仕事の年月を見直すと、意外なことに多く気付かされ、驚くことも少なくない。結局は時代の大きな流れに翻弄される木の葉の一枚に過ぎないのだが、残り少ない人生、木の葉の一枚として、ゆっくりながら前に歩んでいくしかない。
メリノウール [2021/10/22,09:41:48]
写真家・石川直樹の本を読んでいたら「靴下にはこだわりを持っている」と書いていた。山歩きにはコットンの靴下はダメ、メリノウールがいい、と力説している。メリノウール? ミーハーとしてさっそく調べてみた。これはオーストラリアやニュージーランドのメリノ種という羊の毛で、肌触りがよく保温性に優れ、防臭力の高いアウトドアに適した素材だそうだ。試しにネットで3足セット3500円のものを取り寄せてみた。いま普段着としてはいているのだが、確かに足元がポカポカ、肌触り良く、履き心地はいい。ハイキング用なのだが、1000m峰ぐらいなら何の問題もない感じだ。山では汗をかくと急速に足が冷えて往生したことが何度かあるが、この靴下なら通気性も高いので大丈夫なのではないだろうか。期待はふくらむばかりだ。
中世(1) [2021/10/21,10:50:48]
山城を歩くようになってから「中世の日本」に関しての本を読むことが多くなった。中世がこんなに面白い時代だとは思っていなかったので、その複雑さや面倒くささを含めても、すっかりとりこになってしまった。なにせ今の私たちの暮らしの基礎が、ほとんどこの時代に築かれたものなのだ。その一方、天皇を中心とした摂関、院政、公家や武家といったいわゆる当時の権門の構造がわからないと、彼らの行動原理はまったくの意味不明で理解不能になる。一筋縄ではいかない時代でもある。一般的に、藤原一族を母としない後三条天皇の即位(1068年)から、織田信長が入京(1568年)するまでの500年間を「中世」と歴史家はいう。天皇(当時は誰もそんな名称は使わず王家という表現が一番妥当)と武家があらゆる場面で暗闘を繰り返し、にもかかわらず日本の文化や伝統のほとんどがこの時代に胚胎している。貨幣経済や宗教(浄土宗)に目覚め、禅や能をうみ、個性あふれる日本人が育った稀有の時代でもあった。知れば知るほど、その奥深さに吸い込まれていくのが怖い。
シカ [2021/10/20,10:52:10]
月曜日だったので行けなかったのだが、二ツ井・七座山の山行で友人たちがクマと鉢合わせしたそうだ。なんとなく県北の山は危ないなあ、という予感が当たってしまった。まだ大きくはない若いメスではないか、というのがSシェフの見解だ。周辺には異様なほどの獣臭がしたという。私の持論でもあるのだが一人で山に入るのは危険な時代だ。でもクマはイヤだけど、シカには合いたい。もういくらなんでもそろそろ出くわしてもおかしくないのだが、シカのほうはとんと姿を見せてくれない。先日テレビのドキュメンタリーで、高速道路の高架下に夜な夜な群れるシカの映像が流れていた。道路凍結防止のために撒く塩化ナトリウムが流れ下る場所だ。そこに塩分を求めてシカが寄ってくる。そうか、山中よりも高架下というのが可能性が高いのか。目からウロコだ。
別世界 [2021/10/19,10:14:05]
このところひまをもてあましている。夜は森繁の社長シリーズをアマゾンプライムで見まくっている(といっても1日1本限定だが)。このシリーズは大好きなので、ほとんど過去に観たものが多い。でも何度見ても面白い。喜劇役者たちのレベルの高い演技にも感心するが、それにしてもなぜこんなに「没入」できるのか、自分でも不思議だ。つらつら考えるに、ここで描かれる世界観にまずはワクワク、ドキドキしてしまう。まるで知らない世界だからだ。きらびやかなサラリーマン世界、セレブたちの浮ついた日常、昭和30年代の躍進する大都市と、その華やかな風俗や文化、そういったものが、同じ日本でも雪国の田舎で10代を過ごしたものにとっては「驚異の未知の世界」なのだ。幼少時代、自分の身の回りに自動車もネクタイも高級ホテルも飛行機も外国人も、まるで存在しなかった。ネクタイを締めたサラリーマンなど町内に一人もいなかったのだ。ところが同じ時代に同じ空気を吸いながら、「こんな人たちが東京では暮らしていた」という純粋な地域格差への新鮮な驚きである。この真逆の同時代意識が、たぶん「面白さ」の源なのだろう。映画を観ながら、そういえば田舎でも同じようなことがあったなあ、というシーンがほとんどないのだから別世界そのものである。
方言 [2021/10/18,10:46:16]
週末は雨だったので山行もナシ。体調は絶好調なので、なんだか「気ぶっせい」な気分のまま、ぼんやりと土日を過ごしてしまった。「気ぶっせい」という言葉は確か幸田文のエッセイでしった。なかなか粋で歯切れがよく好きな言葉だ。気が塞いで、くさくさするときに使うのだが、調べてみたらなんと関東地方の方言だった。今日の朝の天気予報で、気仙沼の海で「気嵐(けあらし)」が発生したと報じていた。これも初めて聞く言葉でびっくり。冷たい空気が河川を通じて海に流れ込み、その温度差で発生する霧のことだ。正式な気象用語では「蒸気霧」というらしい。これも調べてみて驚いたのだが、「気嵐」は北海道留萌地方の元々は方言だったというではないか。気象予報士はちょっと気取って「気嵐」という言葉を使ってみたかったのだろう。これも漁師目線で考えると、けっこう含蓄のある言葉だ。
散歩 [2021/10/17,11:28:42]
最近、散歩コースをちょっと変えた。駅前折り返しコースから、秋田大学キャンパス経由で手形かいわいを散策する。昔の住んでいた町なので手形はなじみが深い。広面に引っ越してからはときどき大学の学食に来る程度だったので、けっこう新鮮な発見がある。特に大学と千秋公園の際(キワ)のあたりに新発見があって面白い。歩き疲れると大学に戻ってキャンパスのベンチで一休み。ランチもできる(学食ではなく手形食堂というのだそうだ)。先日、のどが渇いたので学食で味噌汁だけ注文した。値段は33円(!)だった。カミさんの実家のある千秋公園横の北の丸の住宅地も迷路のようで面白い。ところどころ20代の頃にもあった古い建物が残っている。キャンパスの裏手には鉱山博物館があり、その奥には平田篤胤の墓があり、クマもいるようだ。キャンパスのベンチで居眠りしたり、パンをかじったりするのも楽しみだ。

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