ニトリ [2025/04/21,09:10:24]
昨日はあいにくの雨。Fさんと二人で湯沢までドライブ。帰りは下道を通って、いろんなところを寄り道しながら、帰ってきた。いいリフレッシュになったが、国道13号線を走りながら、過去のいろんなことを考えてしまった。高速道ができるまで、毎月のようにこの13号線を走っていた。今も13号線にはその面影が残っている……どころではない。ほぼ30年前と同じ光景が残っていた。これはショックというか、胸の痛くなるような風景だった。同時に当時のいろんな出来事も思い出され、人も風景もそんなに簡単に変れないのだ。国道沿いにあるニトリに立ち寄った。そこで夏物の寝具類をまとめ買い。秋田市にもニトリはあるが、小さな旅先で会うニトリのほうが、なぜか購買意欲がわく。さらに判断力も抑制され適正になるようだ。地元のニトリだと、買い物も日常の延長線なので、あれこれ目移りばっかり。旅先のニトリは最低限必要不可欠なものしか手が伸びない。寝具のほかにも、ずっと気になっていた夏用スリッパ類も買う。よかったよかった。
散歩コース [2025/04/20,09:44:30]
青空に誘われて、いつもの駅前コースではなく、逆の医学部裏からノースアジア大学経由の、田んぼ道コースを散策してきた。途中にある石動、白山の両神社もじっくり隅々まで入り込み、「拝んで」きた。なぜ広面に、北陸の山や地名を冠した神様を祀っているのか、それも互いに100メートルも離れていない川一本を挟んだ場所に、仲良く両神が鎮座しているのか。ここに来るたび不思議に思うのだが、明快な答えを示してくれる人がいない。神社の起源(由来)が同じなのは間違いないと思うのだが……。ノースアジアのグラウンドでは高校野球の試合が行われていた。審判、アナウンス付きの本格的な対外試合で、熱のこもったゲームを30分ほど観戦。そこからいつも行く広面近隣公園を横切って帰ってきたのだが、公園の横を流れる太平川沿いの桜が、ちょうどいいくらいの咲き具合だった。ここはけっこう桜の名所、と勝手に思っていたのだが、桜以外の雑木も多く、雑然とした感じがあった。それが雑木はきれいに伐採され、桜並木だけがきれいに残されていた。
ひとり酒 [2025/04/19,10:10:46]
実現できそうにない「希望」だが、5月は事務所を留守にして、ずっと旅に出ていたい、と思っている。3月4月とバタバタしていたが、ほぼGW前に仕事がひと段落する。時間ができると、旅に出て何をしようか、と考えている。各地の景勝地を巡ったり、温泉宿に泊まったり、その土地のグルメを堪能したり……といったことしか思い浮かばないのだが、いずれも突き詰めていくと、いまひとつ心底、やりたいことではない。結局は「家の近くの山でも登るか」となってしまうのがオチだ。これは重症だなあ。つらつら考えるに、身の回りのことについてこれほど興味が薄くなったのは「酒を飲まなくなった」のが大きいようだ。夜は本を読むか映画を見るか原稿を書いていれば、時間は飛ぶように過ぎていく。でも酒を飲んでしまうと、時間は無駄にダラダラ感じられ、飽きがきて、酔うと何もしたくなくなる。結局は、酒でつぶした時間を返してほしい、と悔恨が残るばかりだ。たまに家族や友人と飲む酒は、会話が肴だから、これは苦痛ではない。一人で飲む酒がもうダメなのだ。困ったものだ。
ナオミ [2025/04/18,09:41:20]
大正時代、東京で20代の若いエリートサラリーマン(電気技師)の給料は、都内に一軒家を借り、女中の2人を置いても釣りが来て、銀座にあったダンスホールやカフェはいつも満杯、慶応の金持バカ息子たちがプレイボーイ気取っていた……というのは実は谷崎潤一郎『痴人の愛』で描かれている世界だ。タイトルがちょっとおどろおどろしいが(いまなら書名は『ナオミ』だろう)、中身は今の女子高生でも読めるポップで軽やか、平易で読みやすい物語なのに驚いてしまった。これなら2晩もあれば読み通せてしまう。これが本当に、あの関東大震災のころの物語なのか、と読みながら何度もページをくくる手が止まったほど面白い。15歳の女給・ナオミを自分好みの女に育てようとする30代前後の男の物語なのだが、もちろん魔性の女として成長するナオミの存在感が、物語の大きな中核を占めている。このナオミがちっとも古臭くない。いや登場人物の誰一人として(言葉遣いの古さをのぞけば)現代にも通用する人物として描かれている。大正時代の色恋沙汰が、令和の今も、まったく違和感なく、現代の問題として読者に向かってくるのだから、文学の持つ力は侮れない。
仕入れ [2025/04/17,09:51:38]
久しぶりに青空の見える朝。青い空を見ると無性に外に出たくなる、というのは人として自然な欲求なのだろうか。冬の間、曇天の空に慣れ切った目と身体には、まるで色香が匂う誘引剤のように感じてしまうからやっかいだ。この頃、近所を散歩していて感じるのは、知らないうちにこっそりと店を閉じてしまう飲食系の店舗が増えていること。空き店舗の標示も出ていないところをみると、何か事情があるのだろうか。人口減と少子高齢化に、すさまじい物価高の直撃となれば、仕入れにお金のかかる飲食店の経営は難しい。老舗といわれる寿司屋や人気のある焼き鳥屋も、週のうち半分くらいは店が閉まっている。仕入れの問題があるからだろう。近所の飲食店ひとつとっても、今の日本の置かれた厳しい状況がほの見えてくる。
殺人犯 [2025/04/16,10:15:42]
寝る前に読んでいる本は、美達大和著『獄中の思索者』(中央公論新社)。とんでもなく面白い本だ。「面白い」というのは不謹慎か。著者は仮釈放を放棄して獄死を選んだ無期懲役囚だ。罪と罰、運命、信仰、父、労働、金銭、自由といった編集者から与えられたテーマに沿って、その独特な人生観や半生、自らの性格や性癖を、冷静に書き綴っている。その厳格で原理主義的なその生き方に、ついていけない気にもなるのだが、本人は自らの思想を100パーセント生き方で実践しているから、すさまじいとしか言いようがない。著者は2度の殺人事件を起こしている殺人犯の服役囚である。小さなころから「学業もスポーツも優秀な子供」で、ビブリオマニア(本の虫)でもあった。その生き方に決定的な影響を与えたのは在日韓国人の金融業で成功した父親だ。父親を尊敬し、その信頼や敬愛の度合いは常軌を逸しているほどだ。現在も「単独処遇」という独居房での一人作業を選び、ほかの囚人との交わりを避け、本を書くことで得た収益は児童養護施設に寄付し続けている。なにもかもが「度を越している」世界に生きている人なのだ。こんな本を読むには、読むほうにもある種の覚悟がいる。
中止 [2025/04/15,09:58:00]
今日は休みをもらって、仙北市にある神宮寺岳などを登ろうと計画していたのだが、昨日からの雨がひどく中止に。雨でぬかるんだ登山道を長靴で歩く重労働を考えると、ま、いいか。いや雨の山も悪くはないのだが、あくまで足場が確保されている場合だけ。というわけで、いつも通り仕事場にこもっている。幸いにも、やることは山ほどある。積み木将棋のように、少しずつその山が崩れないように切り崩していく、地味な仕事だ。突然予定が消えてしまった時、こんなふうに、やるべき仕事があるというのは幸せなことかもしれない。でも仕事には「責任」もかならず付きまとう。お金をもらうというのはそういうことだ。だから、ここから逃れたいという欲求も、身体の隅っこには、いつも残っている。死ぬまでこの相反する葛藤は消えないのだろうか。
甘辛 [2025/04/14,09:37:23]
日曜日は事務所にこもってカレー作り。調味料などに凝りまくり、同時のスパイスを考案し……ではない。ひたすら市販のルーの裏箱に書かれたレシピ通りの「フツーのカレー」だ。それはいいのだが、いつも思うのは「ルーがしょっぱすぎる」こと。これでは調味料どころではない。ベースのルーがしょっぱいのだ。どう作っても、やっぱり「塩味」が舌に残ってしまう。逆に料理全般に普通に使う「つゆの素」は、これで料理を作ると、まったく同じベッタリとした、なまずくもうまくもない平板な味になってしまう。たまに「つゆの素」を使わず、砂糖と醤油だけで同じ料理を作ると、料亭の味か、と思うほどメリハリの利いた、素材の旨さが際立つ、味付けになる。塩っ気のきついカレールーと、だるい甘さの強い「つゆの素」は、できれば食卓から追放したい。のだが現実はなかなかそうもいかない。カレールーもつゆの素もこれでいいと思っているんだろうなあ。
妄想 [2025/04/13,10:15:21]
何十年ぶりかに「枕」を替えた話はしたが、まるで違和感がないのが、なんだか不気味だ。昨日は突然思い立って男鹿・真山に登ったのだが、目覚めた今日は筋肉痛ゼロ。登山中はきつくてめげそうになったのに、一晩寝るとケロリなのだ。枕に関しては、不眠やイライラ、体への影響が数日間続くと覚悟していたので、拍子抜けだ。これはもしかして高齢化のため、体の繊細なセンサーが劣化しているのではないだろうか。何の刺激に対しても身体が何も感じなくなる「老人病の一種」では、とさえ疑ってみたくなる。何があっても身体はまっとうな反応をしないのなら、毎日、死ぬほど働き続けても死なないのかもしれない。いや死んだことすら忘れるようになるのかもしれない……とまあ、山行翌日の、気持ちいい目覚めの朝に、妄想するジジイである。
男鹿真山 [2025/04/12,15:46:20]
15日に神宮寺岳に花を見に行く予定だったが、雨の確率が高く、中止の可能性が濃厚に。天気のいい日が少ない週末だが、今日だけは「晴」だ。15日がダメなら今日しかない。と思いたって、急きょ男鹿真山へ。一人で登ってきた。登り1時間20分、下山1時間。前岳ほどではないが、ここもけっこうきつい山だ。山頂付近の長い階段が面倒くさい。雪はほとんど残っていなかったが、こんな時の用心のためスパイク長靴で。花はイチリンソウが至る所で顔を見せていた。まだ本格的に雪から目覚めていない黒っぽい土に、その花の白さは際立っていた。下山してから男鹿温泉郷・雄山閣で温泉。男鹿駅前に立ち寄って若い人たちのやっているカフェやラーメン屋をはしごしてきた。心ある若者の起業で、男鹿駅前が大きく変わりつつあるといううわさを聞いて、興味を持っていたのだ。これからの中止していこう。東北で一番大きな店舗面積だという無印良品にもよるつもりだったが、どうにも最近は物欲がとんと薄くなり、これはキャンセル。家に帰ってきた。

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