シベリア出兵従軍記
四六判・239頁 定価1800円+税 冊数
   はじめに 8

 第一章 ニコラエフスク(尼港)まで 25
旅団司令部に同行し極北を目指す26
連日連夜、軍隊の出入りする青森の街29
兵隊は貨物船に、記者らは客船で33
小樽から霧深い北洋に、海和丸出航39
歌い踊る国策拡張の娼婦「春ちゃん」42
北樺太併合などの国策論者が続出46
亜港に停泊し、娼婦たち下船48
亜港の支配権は軍政部が掌握50
浮標(ブイ)を頼りの尼港航路55

 第二章 荒廃した尼港に佇む 59
市街は焦土、廃墟と木立に夕日射す60
過激派が、日本人に敵意を持つとは限らない話65
子分を連れた「奇矯」大人の酒場案内75
次第に見えてきた現地の実態82
益々増殖する尼港の人口88
赤旗も日章旗も、自由航行のアムール河90
廃墟の建物で雨露をしのぐ、露支の難民97

 第三章 尼港周辺を探る 107
軍経営の鮮人学校と血痕鮮やかな尼港監獄108
何時しか忘れ去られる墓標の存在116
撤兵の噂で、日本商品は日増しに暴落127
恐る恐る「不逞」鮮人部落を訪ねる133
軍縮よそに、連隊長は投げ網で鮭鱒捕り141
警戒すれば疑う心を起こさせる145

 第四章 迫るシベリアからの撤兵 151
「出兵も撤兵もなんのためか」と床屋談義152
アムール河を遡り、前線のソフィスクまで行く155
ソロモワ号でアムール河を下る171
尼港は自然に赤衛軍が掌握する運命174
尼港騒然、慌ただしい居留民会の動き179
恐慌に喘ぐ日本人、対照的な露人の冷静さ183
撤兵の動きを監察するアメリカ武官185

 第五章 尼港はどう委譲されるのか 189
撤兵告示に戸惑う日本街190
哈府交渉から、島田元太郎氏らが戻る192
戦地で馘首された山田連隊長の弁198
極北の地で山田大佐告別の一幕204
哈府視察団と日本人会の尼港保全交渉211
新聞記事で退去指示、旅団長の見送りを受く217

   おわりに 221


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