歴史・民俗
2008年刊

北海道「海」の人国記
伊藤 孝博(いとう たかひろ)著
46判・576頁 定価2800円+税
ISBN 978-4-89544-478-1

海を渡って新天地の開拓に夢を馳せた江戸から明治にかけてのパイオニアたち70余名の人物像を徹底取材。文献資料を渉猟し、現地を取材し、読みやすい文章にまとめた、1000枚を超す力作人物伝。[品切]
冊数

目次から
  はじめに 008
第1景 武田信広と松前氏 012
――蝦夷島支配に乗り出した和人豪族たち――〈伝・福井県出身〉
第2景 建部七郎右衛門元重(材木屋)と田付新助景豊(福島屋) 028
――蝦夷島に進出した近江商人たちの草分け――〈滋賀県出身〉
第3景 岡田彌三右衛門(恵美須屋) 036
――江戸初期に進出した有力な近江商人 関白秀次の失脚を機に奥州〜蝦夷島へ――〈滋賀県出身〉
第4景 西川傳右衛門(住吉屋) 051
――江戸初期から明治まで名を馳せた近江商人 江差追分にもエピソードを残す――〈滋賀県出身〉
第5景 武川久兵衛(飛騨屋) 056
――非・近江系勢力進出の先駆けとなった豪商 歴史の狭間で劇的な隆盛と没落――〈岐阜県出身〉
第6景 栖原角兵衛(北村角兵衛・栖原屋) 071
――蝦夷島で成功した江戸系商人の代表格――〈和歌山県出身〉
第7景 村山伝兵衛(安部屋・阿部屋) 078
――北陸系を代表する大豪商 全国長者番付「東の横綱」の浮き沈み――〈石川県出身〉
第8景 藤野喜兵衛(柏屋) 092
――江戸後期から松前屈指の豪商となった近江商人――〈滋賀県出身〉
第9景 伊達林右衛門(伊達屋) 103
――奥州・伊達郡出身の大商人 先祖は二本松・畠山氏の遺臣――〈福島県出身〉
第10景 高田屋嘉兵衛と金兵衛 113
――一代の大海商 日露関係史にも鮮やかな航跡――〈兵庫県出身〉
第11景 コタンピルの肖像 131
――江戸中期の有力なアイヌ首長伝承に、往時の交易模様をしのぶ――
第12景 佐賀長兵衛(佐藤長兵衛) 139
――六十歳過ぎて独立 苦難と曲折を経て「立身」した漁民の一典型――〈青森県出身〉
第13景 続豊治 146
――「箱館丸」建造で日本造船史に名を残した船大工――〈青森県出身〉
第14景 福士成豊 162
――造船・測量ほか幅広く活躍した技術者 新島襄の密航を助ける――〈北海道出身〉
第15景 武田斐三郎 172
――北海道近代史の黎明期に光彩を放った洋学者――〈愛媛県出身〉
第16景 佐藤仁左衛門(仙北屋) 184
――天保飢饉による窮民の流入・定住を受け入れた岩内場所請負人――〈秋田県出身〉
第17景 梨本弥五郎 201
――「神威岬のタブー」を打破 積丹半島以北への和人定住促進に道を開いた幕吏――〈東京都出身〉
第18景 奥羽諸藩と蝦夷島警備 220
(番外編)
第19景 山田文右衛門清富(第十代目・山田文右衛門) 242
――本格的な昆布養殖の創始者 幕末の蝦夷島で「海」の分野に幅広い足跡――〈石川県出身〉
第20景 山本久右衛門 266
――代表的な「小樽商人」の一人 北海道海運業界勃興期の一翼を担う――〈青森県・新潟県出身〉
第21景 花田伝七 270
――天塩地方を代表する「鰊大尽」 先祖は安芸国の郷士――〈岩手県・広島県出身〉
第22景 中川嘉兵衛 281
――五稜郭で国産氷の商品化に成功 日本製氷事始めに名を残した実業家――〈愛知県出身〉
第23景 佐藤久右衛門 287
――和人で初めて羅臼に定住 同地方開拓の祖とされる漁業家――〈宮城県出身〉
第24景 青山留吉と田中福松 298
――積丹半島の北と南で名を成した「鰊大尽」――〈青森県・山形県出身〉
第25景 武井忠兵衛と武井一族 308
――岩内・古宇郡で活躍した大漁業家 北海道石炭事始めにも名を刻む――〈青森県出身〉
第26景 柳田藤吉 321
――幕末から明治にかけて「海」を含む幅広い分野に関わった「政商」――〈岩手県出身〉
第27景 松本十郎 338
――初期北海道開拓時代に鮮やかな航跡を残した硬骨の士――〈山形県出身〉
第28景 佐野孫右衛門(米屋) 347
――釧路の町の「開祖」として名をとどめる場所請負人 初代は越後・寺泊の商家――〈新潟県出身〉
第29景 林長左衛門(竹屋) 357
――余市の町の「開祖」とされる場所請負人 道路整備にも大きな功績――〈秋田県出身〉
第30景 堺清兵衛 367
――出羽角館から日高へ 近代「浦河」開拓の祖とされる商人――〈秋田県出身〉
第31景 渡辺熊四郎 377
――明治の函館を中心に活躍した稀有の大商人 「函館四天王」の筆頭格――〈大分県出身〉
第32景 飯田信三と富本朝二 400
――日高門別を中心に一時代を築いた二人の風景――〈滋賀県・徳島県出身〉
第33景 藤山要吉 408
――近代小樽の発展とともにあった「小樽商人」の典型 海運業の草分けにも――〈秋田県出身〉
第34景 西川貞二郎 416
――明治の水産史に名を残した全国的な大実業家――〈滋賀県出身〉
第35景 碓氷勝三郎 441
――根室を拠点に「海」関連事業を展開 「蟹缶」海外輸出をヒットさせた草分けの一人――〈新潟県出身〉
第36景 板谷宮吉 456
――「海運王」として全国にも名を轟かす 代表的な「小樽商人」の一人――〈新潟県出身〉
第37景 栗林五朔 470
――近代室蘭の発展に大きな役割を果たした実業家――〈新潟県出身〉
第38景 五十嵐億太郎 495
――近代留萌の歴史に大きな足跡を印した漁業家――〈青森県出身〉
第39景 嵯峨久 502
――「鮪の神様」とも「釧路水産の父」とも呼ばれた漁業家――〈秋田県出身〉
第40景 堤清六 509
――日本の北洋漁業を隆盛に導き牽引し続けた男――〈新潟県出身〉
第41景 寸描「海」の残照 540
(終景) ――草分け・碑・藻塩草――

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