ノンフィクション
2011年刊

遊女・豊田屋歌川
久保 悌二郎(くぼ ていじろう)
46判・207頁 定価1700円+税
ISBN 978-4-89544-546-7

近世北越の俳壇を彩り、加賀千代女と並び称された俳人・豊田屋歌川は遊女でもあった。その謎に包まれた生涯像を、三国湊の北前小問屋・湊屋と豊田屋の盛衰を軸に描く!
冊数

  はじめに  7

第1章 豊田屋歌川を探して 15
(1) 伝説で語られる歌川  15
   みくに龍翔館/歌川をめぐる通説/歌川を描いた小説など
(2) 歌川初出のこと  24
歌川と加賀千代女/歌川像の原型は『近世畸人伝』/『近世畸人伝』と『俳家奇人談』
(3) 『近世畸人伝』について  34
   時代のベストセラー/『近世畸人伝』と伴蒿蹊/『近世畸人伝』の伝播

第2章 歌川が生きた時代の俳諧の世界 43
(1) 歌川と近世俳諧の世界  43
   近世の俳諧/芭蕉と『奥の細道』
(2) 中興俳諧運動と歌川の時代  49
歌川の句の検証/時代の不安の中で/中興俳諧運動/中興俳諧運動の担い手たち/歌川と高橋梨一/時代の流れ/歌川評価の一面/加越の女流俳人二人と『玉藻集』/近世女性俳諧師/もう一人の女流俳人・諸九尼
(3) 三国の俳壇と歌川  79
各務支考の美濃派の普及/三国俳壇・日和山吟社と歌川/美濃派の分裂/三国俳壇の混乱
(4) 歌川まぼろし  90
大森杏雨氏の論考『逃げ水のひと』/歌川没年「七十七歳」説/歌川をよみがえらせた人物・窪田卜了軒/「東都某の士夫」は鳥山紫山か/歌川の墓をめぐる謎

第3章 三国湊について 110
(1) 大河九頭竜川の河湊の繁栄  110
三津七湊/「御巡見控」と「三国鑑」の記録/三国湊と『韃靼漂流記』
(2) 福井藩と丸岡藩の湊町  119
雄藩と小藩/湊を制した「沖ノ口定目・法度」/厳しい法度の内容/三国湊の大騒動/江戸行きの道筋/傾城の湊町「出村」

第4章 北前船と三国湊 139
(1) 近世の海上運輸インフラ  139
北前船・夢とロマン/三国湊の北前船/北前船、最近の研究/北前船の特徴/千石船・弁財船・北前船
(2) 河村瑞賢の海運刷新  155
端賢の北前船の航路整備/新規海運の参入/北前船の登場/越前のもう一つの湊・河野浦
(3) 北前船、もう一つの顔  170
北前船がもたらす文化の伝播/復元北前型弁才船・みちのく丸/最後の北前船「浦門丸」異聞
第5章 豊田屋歌川と湊屋の縁 178
(1) 歌川の墓の謎と湊屋  178
豊田屋の妙了と湊屋/実母・豊田屋フサ/お墓の本家(?)争い
(2) 皆藤家(湊屋)の人びと  188
北前船小問屋・湊屋/「みなとや治平」の引き札/古老の話/三国縁の文人たち

   おわりに  200
   参考文献・資料  204

TopPageへ