人物研究・伝記
2017年刊

探究の人菅江真澄
菊池 勇夫
A5判・150頁 定価1700円+税
ISBN 978-4-89544-632-7

生活文化史料として類をみない記録遺産ともいえる真澄の著作は、どのようにもたらされたものなのか。遊歴文人を旅へといざなった淵源を著作の内部にまでわけいり、考察する。
冊数


第一章 菅江真澄の魅力は何か
1 旅の目的意識
2 作品のなかの一冊─『楚堵賀浜風』─
3 民衆に対する目線
4 人間真澄の感情

第二章「 蝦夷」への憧れ─松前渡海まで─
1 外が浜の地に至る─出羽から陸奥へ─
2 「蝦夷」を巡る伝説・物語─仙台領を歩く─
3 再び松前をめざして─南部から津軽へ─
4 「蝦夷」へ向かわせたもの

第三章「 いにしへ」探究の真澄の旅・学
1 「いにしへ」発見の旅
2 北東北に残る「いにしへぶり」
3 アイヌ文化のなかの「いにしへぶり」
4 考古遺物への関心
5 真澄と宣長

第四章 クニコトバの生活世界
1 言葉の違いを意識する
2 出羽陸奥の方言(クニコトバ)
3 蝦夷言葉(アイヌ語)の残存
4 「古言」(ミヤビゴ)の発見
5 いにしえぶりの風俗
6 北奥羽の地域特性

第五章 真澄の「ひがおもひ」
  ─金花咲く「みちのく山」探索─
1 大伴家持の歌
2 金華山説への疑問
3 「みちのく山」の「発見」
4 真澄後の「みちのく山」

第六章「 絵引」をする菅江真澄
1 澁澤敬三の「絵引」
2 真澄が描いた「図・画(かた)」
3 真澄の「絵引」スタイル
4 真澄の独創性

第七章 日記から地誌へ─日記体地誌の位置づけ─
1 雪月花三部作の構想
2 『花の出羽路』の試み
3 日記体地誌の可能性

第八章 真澄の地誌と『郡邑記』─消えた村への関心
1 参照としての『郡邑記』
2 廃村(敗村)となった村
3 廃村となった事情

第九章 菅江真澄の著作と学問について
1 真澄の著作
(1)真澄の関心領域
(2)旅日記(紀行)
(3)地誌
(4)随筆
(5)図絵
(6)その他
2 学問の方法と批判
(1)くにぶり・いにしえぶりの発見
─本居宣長との関わりで─
(2)ふみは千歳に残るもの─古川古松軒批判─
(3)実地見聞の学への自負
─橘南谿・滝沢馬琴・人見蕉風批判─
3 真澄研究の歴史
(1)真澄研究の礎─秋田人による継承─
(2)柳田國男の真澄研究

TopPageへ