ノンフィクション |
2019年刊− |
奥のしをり
江戸の落語家、東北を旅する
船遊亭扇橋 (著), 加藤 貞仁(現代語訳) A5判・190頁 定価1800円+税
ISBN 978-4-89544-655-6 江戸の落語家で戯作者の幕末東北巡遊日記。天保12年(1841)、江戸から仙台城下に入り奥州街道を北上、秋田領に入る。秋田を基点に津軽まで行く先々で興行を打ち、その旅の様子を挿絵や和歌をまじえて記録した日記を初の現代語訳で刊行! |
江戸時代の落語家・船遊亭扇橋は、天保12年(1841)、寄席興行のため、仙台を振り出しに、塩釜、松島、石巻を見物した後、奥州街道を北上。一関、盛岡を経て八戸、田子、来満峠を越えて鹿角、大館、能代を巡り、久保田城下(秋田市)へ入りました。さらに八森から大間越を経て津軽領・深浦まで旅をしました。
この2年余の東北巡遊の旅を、挿絵や和歌などをまじえ詳しく記録したのが『奥のしをり』です。江戸時代の東北地方の実情については、菅江真澄の『遊覧記』が最高峰の記録とされてきましたが、江戸っ子の目で見た東北を記した『奥のしをり』も、それに劣らない内容を持っています。落語家による、めずらしい東北旅日記を、本邦初の読み易い現代語訳でお届けします。 船遊亭扇橋(せんゆうてい せんきょう) 江戸生まれ。著書『落語家奇奴部類』に、弘化5年(1848)当時63歳(数え)と記しているので、天明6年(1785)生まれと考えられている。放蕩の末、狂言作者、初代・並木五瓶に入門し、のちに二代目・並木五瓶を襲名。落語家としては、初代・入船亭扇橋の弟子となり、新橋、扇蝶、入船扇蔵と名乗った後、二代目・船遊亭扇橋を襲名する。 天保12年(1841)から、寄席興行などをしながら奥州・羽州を旅し、その様子を、挿絵や和歌などをまじえて詳しく記した『奥のしをり』を残した。 |