人物研究・伝記 |
2021年刊− |
平田篤胤 その思想と人生
渡部 由輝
46判・185頁 定価1800円+税
ISBN 978-4-89544-668-6 無宿者、あぶれ者的集団から突如、大学者、大思想家に登りつめた平田篤胤。その相転移的人生を、当時の世相、風俗、時代精神から読み解く、刺激的人物考。
|
序章 希望なき船出 親を殺し、兄弟も殺す相 ふと医者坊が嫌になり 日本史上稀有の天才 国学における四大畸人の現実逃避 郷里脱出 雄勝峠での幻聴 第一章 波の間に間に漂って 自己責任的社会・江戸 三無的社会・近代日本 常盤橋での三年 山鹿流軍学者平田篤胤の誕生 緊急避難的結婚と初めての出版 中国が異民族との戦いで連戦連敗した理由 夢破れて医師大壑へ 時事評論家へ転身 医師元瑞としての再出発と自立 第二章 時代は離散系へ 日本列島動揺時代 近代的合理思想の芽生え 儒学の凋落と仏教の衰退 近代学としての国学の誕生 江戸の出版事情 篤胤と宣長(一)─ 異端と正統 篤胤と宣長(二)─ 理系と文系 第三章 国学という仮泊地 大衆講説師 駿河の宿での狂奔の一か月 『霊の真柱』で思想界にデビュー |
強大な外圧に備えての自衛 『出定笑語』と『玉だすき』 重なる不幸で貧窮生活へ 家計ようやく好転 宣長家訪問記 第四章 異界はいずこに 百鬼夜行 神隠し ─ 子供の行方不明事件 次元的異界へ さまざまな怪異論 怪談のショー化 死刑もショー的 天狗小僧寅吉の異界体験 脳は情報を創造することはできない 生まれ変わり人間勝五郎 量子もつれと非局所的相関性 第五章 蛍火 貴人にして秀才宰相松平定信、生涯の痛恨事 大国隆正という平田門の“鬼っ子" 獅子身中の虫ならぬ大忠臣にして大功臣、水戸藩 夜明け前史観の誤り 戦闘集団(西南雄藩)対文弱国家 砲丸弾対榴散弾 篤胤の秋田送還と終焉 秋田藩の裏崩れ 蛍光か燭光か |