歴史・民俗 |
2021年刊− |
謎解き「後三年記」
加藤 愼一郎(かとう しんいちろう)
A5判・120頁 定価1400円+税
ISBN 978-4-89544-669-3 後三年合戦(1083~1087)の顛末を記した軍記物語『後三年記』を丹念に読み解き、欠失部の内容や史実の省略、隠蔽、歪曲の有無にまで踏み込み、謎に満ちた合戦の真相に迫る。
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第一章 『後三年記』の謎
一 清原氏の通字が「武」から「衡」に変わったのは?また、藤原氏が「衡」を踏襲したのは? 二 鎮守府将軍清原貞衡の名が出て来ないのは? 三 荒川太郎が二人いるのは? 四 「国」は本当に「陸奥国」? 五 成衡の人物紹介が簡略に過ぎるのは? 六 貴重な金(砂金)を投げ散らすとは? 七 秀武は七十歳? 八 清衡らが焼き払ったのが白鳥村の民家だったのは? 九 真衡が秀武再討伐を優先させたのは? 十 成衡でなく真衡の妻が助けを求めたのは? 十一 真衡死亡後、成衡が全く登場しないのは? 十二 義家が家衡を清衡の館へ同居させたのは? 十三 武衡の年齢は? 十四 武衡が陸奥国から出羽へ越えて来たのは? 十五 武衡が人物紹介なく登場するのは? 十六 義家が武衡加担を聞いて激怒したのは? 十七 義家の呼称が「国司」から「将軍」に変わるのは? また、陸奥守が出羽国の沼柵や金沢柵を攻めるのは? 十八 義家が伏兵は武衡が隠したのを知っているのは? 十九 秀武はいつ義家方についた? 二十 城方が自ら館に火を放ったのは? 二十一 武衡が城の中の池に隠れたのは? 二十二 家衡が奥六郡第一の名馬を持っていたのは? 二十三 義家が名簿の件は武衡が千任に言わせたと断言できたのは? 二十四 義家を千任の残虐な処刑に駆り立てたものは? 第二章 『絵詞』の謎 一 上巻第一段 下手方向に向かう武者の一行は、金沢柵に向う武衡・家衡方の軍勢か? 二 上巻第二段 柵内の建物の縁先で指図する態で立つ武者は誰で、何を指図しているのか? 三 上巻第五段 紅葉した木や岩山の陰で集う兵たちは何をしているのか? 四 中巻第二段 柵内の建物の縁先で語り合う二人の武者は誰で、その話の内容は何か? 五 上巻第二段冒頭 義家の陣に参じて彼と対面する義光が極めて若々しく描かれているのは? 六 下巻第三段 斬首されようとする間際の武衡の姿は、詞書と異なり、命乞いしているように見えないのは? 七 中巻第一段・下巻第三段 綾藺笠を冠った人物は清衡か? 第三章 金沢柵はどこ? 一 金沢城跡説への疑問 二 長岡森説 三 金沢城跡説否定論の検証の必要性 |