人物研究・伝記 |
2023年刊− |
増補改訂 物部長穂
川村 公一(カワムラ コウイチ)
A5判・240頁 定価2200円+税
ISBN 978-4-89544-680-8 大正から昭和初期にかけて「水理学」という新しい学問を体系づけ、「耐震工学」という前人未到の学問分野を開拓した、土木工学の父と呼ばれる人物の生涯を活写。生い立ちから人となり、そして学問の軌跡、年譜までを収載する。
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序 第一章 物部長穂の生いたち 秋田物部文書 饒速日命と膽昨連 物部氏の秋田への定着 菅江真澄が見た境村 唐松神社 長穂の誕生 兄長久 三男長鉾 四男長雷 五男長照 七男長祝 少年時代 故郷での体験と研究対象 内務省技師への道 工学博士の誕生 耐震理論が問い直された関東大震災 土木試験所の発足 土木試験所長の勅任 試験所長時代の功績 晩年の長穂 第二章 物部長穂の人となり テニスで健康維持 嗜好品と食事 勉学方法 抜き書き 部下の指導 その性格 親しい友人 詩歌に傾倒 第三章 水理学の功績 特殊な土木用語 水理学とは 水理学の歴史 明治四四年洪水 我が国初の水理実験 飯野川大堰と北上大堰 大河津分水工事 著書『水理学』 |
水系一貫の河川計画管理 多目的ダム論 多目的ダムとは何か 第四章 耐震工学の功績 研究の目標 耐震工学への傾倒 震度法の考案 耐震設計で使用すべき設計震度 土木学会賞の受賞 関東大震災 帝国学士院恩賜賞の受賞 断層と地震 第五章 近代化への行政組織と高等教育 明治時代の高等教育 工部大学校の設立 内務省土木局の発足 内務省の戦略 古市公威と沖野忠夫 技術官僚の養成 第六章 河川行政の整備 歴史から読み解く土木の用語 治河から治水へ 河川法の制定 治水の長期計画策定 河川関係の法整備 第七章 科学と技術 科学、技術の歴史 科学技術と科学・技術 近代日本に導入された科学と技術 技術論 河川の社会技術 技術の合意形成 新たな展開 技術の伝承 価値観・倫理観 物部長穂の年譜 物部長穂主要論文リスト 参考文献 あとがきにかえて |