ブラジル観察学
四六判・321頁 定価2718円+税 冊数
   まえがき
 T 動物フィールドノート
    微妙な生態系バランス
    むずかしいトリの和名
    全責任もつエマのオス
    風変わりなトゥユユの求愛
    “怪鳥の叫び”正体はムツン
    南米にはいない“狼”と“狐”
    “超感覚”所有のピラニア
    牛の病気で絶滅危機のヌマジカ
    “専守防衛”法開発のチドリ
    高度の技術駆使の?卵鳥
    吸血魚カンジルーの虚実
    食べ方わからぬブラジルの淡水魚
    冷凍に耐性ある“熱帯魚”
    干魃で生態系一変のパンタナール
    深刻な新世界ザルの受難
    欧米の貴婦人は動物の天敵
    種の絶滅はほとんど人災
    幻の怪獣の正体はオオナマケモノ
    世界に放散、古代哺乳類
 U 酒と食を考える
    宿命的下級酒のピンガ
    日本人に合わぬ一気飲み
    ピンガ禍、インジオに蔓延
    風土により違う酒文化
    名前が混乱しているジャカランダ
    含蓄に富む植物名の雅語
    根強く生きているゴマ文化
    原風景にはないココ椰子
    奴隷の逃亡は食事も原因
    伝統作物でない“シュシュ”
    マンジョカの完全利用開発
    神聖な創造伝説“処女懐胎”
    インジオが拡めたバナナ栽培
    すぐれた香辛料の唐辛子
    有用植物利用、見直す時期
    万能の天然殺虫剤はない
    猛烈に痛いハリアリの毒
    インジオの裸は塩分保持
 V 文化と神話と歴史から
    ブラジルになかった? 梅毒
    “きせる”の起源はブラジル
    分娩間隔永い未開民族
    セルトンの人口圧は特殊環境
    長寿で変化“性と生殖”観
    “幼形成熟”顕著な東洋人
    馬術に驚威的才能、グヮイクルー族
    生き残る辺境のキロンボ
    辞書に不可欠、インジオ語
    インジオ発明のハンモック
    禁令で変えられぬ食習慣
    東洋的なジュルパリ神話
    急速な崩壊インジオ文化
    未整備なブラジルの観光資源
    ポルトガル、香料貿易独占
    “珍書”から見た香料通商史
    「点と線」戦略でルート確保
    強運のポ王室、ブラジルで金発見
    悪の温床だった王立会社
    海外拠点失ったポルトガルの悲哀
    イエズス会布教、場所により様々
    “珍書”ブラジル経済実態調査
    広軌だった初期のブラジル鉄道
    ファド本家にこだわるブラジル
    中国式恐怖政治とれぬブラジル
    盗んだ方が勝ち“種子戦争”
 

 W 移民社会の日系人
    日本移民と相性悪いゴム
    役立った“アマゾン大百科”
    排他性強かった日系社会
    むずかしい血縁集団離れ
    まだ果たされぬ一世の責務
    ブラジル移民と満州移民の違い
    現実感覚に欠ける信念派
    発生して当然の“巨聯事件”
    勝つことが自己の存在証明
    認識派は不倶戴天の仇敵
    “疑獄”に残る信念派の怨念
    両派の尖鋭分子は同じ性格
    魅力ある純粋信仰と“天誅”
    根強い風潮アジア再移住
    “えげつなさ”残る移民社会
    無駄ない野生動物の世界
 X 伝統と包容力の間で
    ブラジル赴任を渋った澤田大使
    つきに恵まれていた大使
    植物標本喜ばれた昭和天皇
    戦後に生きた友好促進策
    名文、石射大使のリオ描写
    大使の拒否で下船の移民
    なかなかわからぬ事件の真相
    伝統文化に固執の客家人
    原理、原則に欠ける日本人
    “父祖の地”ではない新大陸
    杞憂だった日本人不同化論
    あり得る日系社会の消滅
    世界に冠たる差別国日本
    氏神の守備範囲は日本だけ
    包容力の大きいブラジル
    解決策ないインジオ問題
    文化で異なる裸への評価
    サッカーは自己存在の確認
    歴史の皮肉、日系人の同化
    あとがき


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