全長わずか22キロ、雪国を走る小さな私鉄。
その沿線の豊かな四季と電車を瑞々しい
感性が活写するオールカラーファンタジー。
 小坂鉄道は秋田県の北部、小坂町と大館市を結ぶ全長約22kmの鉱山鉄道です(旅客は平成6年廃止となり貨物鉄道として活躍しています)。
 ここでは人間の手によって動かすシグナルやポイントが今なお現役です。スイッチ一つで何でもマイコンがやってしまう世の中から見れば、時代遅れかもしれませんが、人間と機械が理想的に共存しているように私には思え、気に入っています。
 本書は日本の北国の片隅にある小さな小さな鉄道とその沿線の四季をカメラスケッチしたものです。少しでもみなさんの心象とふれあうカットがあれば望外の幸せです。
(「はじめに」から抜粋)