福島県 会津民俗館 |
東北おもしろ博物館(加藤貞仁著)より |
おもしろ博物館 | 福島県猪苗代町 |
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蝋をかけた串を乾かす「蝋立て箱」。蝋をかけては乾かし、さらに外側に蝋をかける作業を繰り返して、次第に太い蝋燭を形づくって行く | 名主階級の民家「旧佐々木家住宅」の囲炉裏端。家族団欒の間であるが、主人、客、主婦と、それぞれに場所が決められていた | 男根と女陰をかたどった道祖神。福島県内の道祖神は、ほとんどがこの形だ。会津地方では、木で男根と女陰を作り、火伏の神として屋根裏に吊るす風習もあった |
だが、三百年前の「中層農民の民家」として国の重要文化財に指定されている、「旧馬場家住宅」に入った時、馬も同居したという構造の面白さより先に、「農民はみじめだったのだ」と感じた。粘土を搗き固めた土間に、囲炉裏が切ってある。周囲にムシロを敷き、ここで食事も寝起きもしたという。板の間もあるが、日常生活は土間だったのだ。民俗学では、「土座生活」と言うらしい。しかしこれが中層なら、下層農民はどんな暮らしをしていたのだろう。 武士の生活は、農民の汗の代償だった。「蝋釜屋」も合わせて、そんなことを実感した。 |
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