福島県 いわき市石炭・化石館 |
東北おもしろ博物館(加藤貞仁著)より |
おもしろ博物館 | 福島県いわき市 |
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「フタバスズキリュウ」が発掘された現場の復元模型。1体分の骨の化石が、まとまって見つかった | 2500万年前の海を泳いでいた鳥類「プロトプテルム」の全身骨格復元模型。ペンギンによく似ているが、実はペリカンの祖先から枝分かれしたグループの鳥 | 人形を使ってかつての炭鉱の生活が再現されている。これは、妻から弁当を渡され、仕事にでかける作業員 |
「いわき市石炭・化石館」には、クジラやゾウ、それに現在のペンギンに似た「プロトプテルム」という鳥など、新世代の動物の化石もたくさん展示されている。しかも、「イワキクジラ」とか「イワキゾウ」と言った、この地域の特有種が多い。また、常磐炭田の石炭も、新世代の樹木だ。動物にしても植物にしても、この辺りが当時、大量に遺骸が集まりやすい地形だった、ということなのか。古生物ファンにとっては、なんと魅力的な土地なのだろう。 さて、「いわき市石炭・化石館」の後半部分は、昭和五十一年に、百二十五年の歴史を閉じた常磐炭田の歴史展示である。石狩や筑豊炭田に出炭量は及ばなかったが、東京に近いことから、戦後の日本の復興に果たした役割は大きかった。 福島県人の私としては、その昔、都市対抗野球で「オール常磐」チームが活躍したことが懐かしい。そんな華やかな時代があった。石炭の掘削機、坑道そのもの、そして炭鉱で働く人々のリアルな人形を見た後では、世の中のあまりにも急激な移り変わりに、複雑な思いをさせられる。 |
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