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須川岳(すかわだけ)の別名で親しまれている栗駒国定公園の栗駒山の裾野には、古くから多くの温泉がある。そこを通る国道342号は、温泉街道として知られてきた。
最も山深いところにあるのが須川温泉で、この温泉は強酸性の温泉である。須川温泉から山道を下った真湯温泉は、須川温泉の上がり湯、直し湯として利用されてきた。泉質が強酸性泉とは反対のナトリウム・カルシウム・硫酸性高温泉だからである。
発見は、弘化(こうか)3年(1846)と伝えられ、傷ついた鹿がこの湯で傷を治していたということから、当初「鹿の湯」と呼ばれていた。それが「ししの湯」となり「真湯」になったと伝えられている。「真湯山荘」は、この温泉を使った温泉宿泊施設として、昭和 年にオープンした。
ブナの原生林が生い茂る中に、赤い屋根の宿泊棟と温泉センターという温泉棟が並び、ほかにも温泉風呂の付いたコテージ(1棟1万2000円)や、テニスコート、ゲートボールコート(共に1時間200円)などもあり、スポーツレジャーを楽しむ拠点としても親しまれている。
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温泉センターの大浴場はレインボースパとうたった趣向。
かぶり湯、気泡が身体に刺激をあたえる泡沫浴、全身浴、蒸気に満ちた箱に入って全身の発汗作用を促す箱蒸し、打たせ湯、マッサージ効果のある圧注浴などがある。飲泉すると、胆石症、慢性便秘、肥満症、糖尿病、痛風に効果があるという。また、昔からマムシの毒に効くともいわれている。
そしてこの温泉の人気のひとつがブナ林の中にある露天風呂。森林浴も同時に楽しめる絶好のロケーションで、新緑と紅葉の時期は特に人気だ。
食堂には真湯ラーメン(600円)、特製チャーシューメン(800円)などがある。
宮城県は温泉が少ないので宮城県から真湯山荘によく来るというお客さんは「温泉が好きであちこちに行くけど、ここは私が好きな温泉のベスト3に入ります。温泉の色もきれいだし、値段も安いから気軽に来れます」と話す。県境にほど近い真湯温泉には、宮城県からのファンも通っているようだ。
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ロビーと小上がりの休憩コーナー
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