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「砂ゆっこ」は湯田(ゆだ)町の北部にある槻沢温泉の日帰り温泉施設で、珍しい砂風呂が人気を集め、全国的に知られている。
砂風呂といえば鹿児島の指宿(いぶすき)温泉が有名だが、東北地方で初めて登場したのがここだ。
人気の砂風呂は別棟にあって、本館からは渡り廊下で続いている。約85度の熱い温泉がたっぷりと湧き出す槻沢温泉。町で取れる天然ケイ砂を入れたプールの底にこの熱い温泉を流して砂をあたためる。この砂の上に浴衣を着て寝転ぶと、係りの人が鍬(くわ)で両側から砂をかけてくれる。そのまま15分ほどすると身体から汗がたっぷり出て、体内の毒素も抜けていく。途中で汗の吹き出した顔を係りの人が冷たいタオルで拭いてくれるのだが、これがたまらなく気持ちよく、砂から出ると身体が軽くなった感じがして、すっきりと爽快な気分になる。
砂風呂のあとは専用の浴室で身体の砂を洗い流し、それから一般の温泉浴場で温泉に入るという仕組みだ。
砂風呂は1日が終わると、温泉の水位を表面まで上げて一晩かけて砂の汚れを洗い流すのでいつも清潔に保たれている。
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砂風呂の料金には一般の温泉の入浴料金も含まれているが、一般の温泉だけの利用もできて、200円と低料金だ。地元の人たちには銭湯感覚で一般の温泉だけを利用する人も多い。また、湯田町の温泉宿に泊まりに来たお客さんの中で、うわさを聞いてやって来る人も多いという。
砂風呂の効能にひかれて通う根強いファンも多く、立ち仕事で肩凝りなどの多い美容師さんたちには特に人気だ。「砂風呂に入ると身体の凝りがとれてすっきりする」と評判で、美容院が定休の月曜日は美容師さんで込んでいるそうだ。そのせいか木曜日、金曜日は比較的空いている。
休憩室は有料だが、350円とお手軽な料金。食堂はないが近所の飲食店から、お寿司やお弁当の出前を取ることができる。
温泉の郷(さと)、湯田町の中でもユニークな温泉はシンボル的な温泉のひとつになっていて、湯田温泉峡の湯めぐりをするならはずせないところだ。
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フロント前に小さな産直コーナーがある
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