|
「道の駅」とうほくガイド(無明舎出版編)より |
|
|
下北半島の西南端に位置する道の駅「わきのさわ」は、半島北端にある大間町から南下し、仏ヶ浦などを通る国道338号沿いの脇野沢村にある。国道途中の佐井村からここまで至る間は、青森ヒバやブナの大木がうっそうと続く素晴らしい山岳道路で、樹々の切れ目から陸奥湾や津軽海峡、津軽半島を望むことができる。 脇野沢漁港からは青森市や、対岸の津軽半島の蟹田町とを結ぶフェリーが発着しているほか、半島の西側にある奇景「仏ヶ浦(ほとけがうら)」への高速遊覧船「夢の平成号」も出ている。 ちなみに脇野沢村の沖合がマダラの産卵場所で、ここで生まれたタラは3年ほど北洋の海をめぐり再びもどってくる。タラ漁は江戸時代から盛んで、「鱈の里」の由来となった。 世界北限の野生ザルの生息地となっているこの地域には多数のニホンザルが棲んでいるが、道の駅に隣接して、そのサルを間近に見ることのできる「野猿公苑」があり、入場無料。 |
山裾に造成された小高い台地に道の駅がある。内部は総ヒバ造りとぜいたくだ。 ヒバはヒノキの仲間で、殺菌効果のある芳香を放ち、腐りにくい木材だ。しかし生長が遅く、ほとんど造林育成されていないため、胸高直径で センチになるまでに200年はかかる。そうして育った200〜300年の天然木を間伐してつくった建物は頑丈で狂いがない。 食堂はラーメンなどの軽食が中心で、500円前後で食べられる。道の駅周辺には食事処があまり多くないため、よく利用されている。 道の駅の隣にはバンガローが 棟あり、宿泊施設の少ないこのあたりでは、食堂と同様、便利な存在だ。 物産コーナーには、ヒバの細木を使った箸などの木材工芸品、ヒバエキスを利用した製品が並ぶ。脇野沢特産のイワシの焼干を使用した「焼干ラーメン」(4食入・1000円)や「イカスミラーメン」(5食入・1000円)がよく売れている。 ほかに「いのしし館」があり、イノシシのはく製や写真などの資料が展示されていて、「焼肉ハウス」ではイノシシの焼肉などを食べることができる。 イノシシは本来、脇野沢村に生息しないものだったが、寒冷地での飼育に成功し、ここ脇野沢村がイノシシ生息地の北限となった。タラ、ニホンザルに加えてイノシシもこの村の顔となっている。 |
2階はミニギャラリーとなっている | 青森ヒバ材で作った木工品 | ラーメンがおいしい食堂 |
●北限の「野猿公苑」 TEL: 0175−44−3423 ●保養センター「わきのさわ温泉」 村唯一の温泉。きれいなお湯で大 広間や個室もある。 TEL: 0175−44−3424 ●仏ヶ浦 脇野沢村より約36キロメートル北に 位置する。およそ2キロメートルにわ たって奇岩、怪石が続く。 ●恐山 日本三大霊場のひとつ。イタコの口 寄せで知られる「地蔵堂」、「血の池 地獄」、「賽の河原」がある。 ともに問合せは、脇野沢村観光協会 TEL: 0175−44−2217 | 北限のサルが30匹ほど飼育されている「野猿公苑」 |
|
数値等のデータは1999年現在のものであることをご了承下さい。 |