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「道の駅」とうほくガイド(無明舎出版編)より |
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福島市から国道4号に乗り、南下する。中心街を抜けたところで国道114号へと入り、20分ほど走ると左手にある。 黒っぽく渋い色合いの切妻が、正面に構えている。他に二つの建物があり、周りには竹林や芝生が整備された清々しい場所だ。 川俣町は、古くから絹織物業が発達し「絹の里」として栄えてきた。その始まりは、今から1400年前、崇峻(すしゅん)天皇妃の小手姫が、蘇我馬子(そがのうまこ)によって連れ去られた我が子を捜してこの地にたどり着き、養蚕(ようさん)と機織りの技術を人々に教えたところから、とされている。江戸時代には生糸(きいと)市や羽二重(はぶたえ)市が定期的に立ち、江戸城大奥に献上されるなどたいへんもてはやされた。 |
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中でも最良の生糸を緻密に織り上げた、絹の中でも最高級品と言われる羽二重の産地としての地位は揺るぎないものとなった。今でこそ、合成繊維の台頭などでかつての勢いはなくなったものの川俣町の良質な絹織物は健在である。 近くには、キャンプ場やアスレチック施設を備えた「峠の森自然公園」があり、町を一望できる。 |
正面に構える切妻は「かわまた銘品館シルクピア」。絹製品をはじめ、様々な特産品を販売している。ネクタイや靴下など現代の用途に合わせた絹製品が人気。食べ物ではここのもうひとつの代表的特産品と言える「川俣シャモ」がお奨めだ。「川俣シャモ燻製」(500円〜)の風味は絶品。他にも全国豆腐コンクールで一等賞を受賞した「川俣のとうふ」は、大豆のうま味を秘伝の方法で引き出しているという逸品で、豆腐の概念を覆してしまうほど濃い味わいだ。館内には「ソフトクリーム」(シルク・桑抹茶・ミックス・各250円)などが食べられるティースペースも併設されている。 手織りと草木染を実際に体験できる「からりこ館」は隣の建物。卓上手織機を使いコースターやテーブルセンターを作ることができる。コースターなら所要時間は約30分。 1日コースや体験教室もあるので予約して体験してみるといい。 向かって右に建っているのは「おりもの展示館」。家内工業から現代に至るまで、川俣町の織物業の歴史を、文献や写真に加え実際に使われていた手織り織機や力織機を使って詳しく紹介している。 |
特産品の多い川俣町の銘品が揃う | さまざまな絹織物道具が並ぶ 「おりもの展示館」 | 「からりこ館」の織物体験室 |
●峠の森自然公園 日本有数の大きさの水車でひいたそば粉でそば打ち体験ができる。そば打ち体験は冬期を除く日・祭日のみ。 ●中央公園 絹織物を伝えた小手姫の銅像がある。 ともに問合せは、川俣町役場産業振興課 024―566―2111 ●千貫森(森の中腹に「UFOふれあい館」がある) 問合せは、UFOふれあい館 024―562―2002 | |
水車でそばの製粉をする「峠の森自然公園」 |
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数値等のデータは1999年現在のものであることをご了承下さい。 |