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「道の駅」とうほくガイド(無明舎出版編)より |
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東北自動車道を水沢インターチェンジで降り、国道397号に乗る。陸中海岸方面へ20分ほど走ると右手に現れる。直前の峠には長いトンネルが三つあり、それを抜けた高原地帯種山ヶ原の入り口に位置する。 種山ヶ原は住田町と、隣接する江刺市との境に広がる標高600〜800メートルの高原。ぽつりぽつりと木が生えるなだらかな斜面の牧場では、牛馬が草を食む姿が見られる。ここではしばしば濃霧が発生するのだが、霧が晴れる間際の風景がまた、いっそう幻想的だ。この光景が、岩手県花巻生まれの詩人・宮沢賢治に多くのインスピレーションを与えたとも言われており、童話『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』などの作品の舞台としても取り上げられている。 |
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建物は、六角形の形をした真ん中の棟の3辺から、さらに新たな棟が出ている格好になっている。宮沢賢治の作品の中にしばしば登場する「星」をイメージしているのだ。 毎年8月の第2土・日曜日に1000人もの人が訪れ星の観察などを楽しむというイベント「すたーうぉっちんぐ種山ケ原」の会場にも近い。コテージなどの施設が整った「星座の森」や温泉施設のある「遊林ランド種山」なども歩いて行ける距離にある。 |
建物の入り口のテラスの階段を上ると食堂「ぽらん」がある。宮沢賢治の作品に『注文の多い料理店』という童話があるが、そこから名を採って「注文の多いそば屋」とうたっている。メニューはそば、うどん、カレーライス、コンニャク料理など。「ジンギスカン定食」(1260円)も食べられる。 食堂の一角には売店があり、付近の特産品を売っている。ここでは昔ながらのおばあちゃんの味「しばで」(300グラム・320円)がイチ押し。切り干し大根、シイタケ、ニンジン、昆布を材料に秘伝の味付けをしたピリカラのキムチ漬だ。気仙地方ではお茶受けや酒のつまみとして食べられている、まさに地元の味である。 この地は年間の平均気温が11度と温暖な気候であることからイチゴの栽培も盛んで、甘くてみずみずしい「イチゴジャム」(620円)を買って行く人も多い。また、町の花である「敦盛草(あつもりそう)」をこのあたりでは「かっこう」と呼んでいることから名付けられた名物「かっこうせんべい」(10枚入・1260円)は、アーモンドスライスをせんべいの上にちりばめた少し変わったせんべいで、全国大会で賞をとったこともある。 |
ログハウス風のトイレ | 『銀河鉄道の夜』をイメージした 「道路情報板」 | 注文の多いそば屋 |
●種山ヶ原 問合せは、住田町観光協会 0192−46−2311 ●星座の森 0197−38−2366 ●遊林ランド種山 0197−38−2323 | |
道の駅から車で2分ほどの所にある 「遊林ランド種山」 |
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数値等のデータは1999年現在のものであることをご了承下さい。 |