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「道の駅」とうほくガイド(無明舎出版編)より |
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国道7号沿い、新潟と山形の県境から北に3・5キロメートルほどのところに、道の駅「あつみ」が海を背に建っている。道の駅の黒い屋根は舟の形をしていて、日本海へ船出するような格好に見える。この辺りは新潟から庄内平野に続く山々が日本海に迫るところなので、海の幸・山の幸に恵まれた地域だ。愛称の「しゃりん」は町の花・車輪梅(しゃりんばい)から名付けられた。 ここの自慢は、日本海に沈む夕陽。毎年8月下旬には、温海(あつみ)町の伝統芸能である「山戸能(やまとのう)」が夕陽をバックにして屋外ステージで上演され、夏の終わりを告げるイベントとして定着している。 温海町は福島県の白河、勿来(なこそ)とならぶ三大古関のひとつ「念珠関(ねずがせき)」のあった所で、昔も今も東北の日本海側の玄関口となっている。関所跡は開放されており、自由に見学できる。 |
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すぐ近くに「温海温泉」がある。何軒もの温泉宿やホテルが立ち並ぶ山あいの温泉地で、千年の歴史を持ち、松尾芭蕉、与謝野昌子など多くの文人墨客(ぼっかく)に愛された。温海川の両岸は県内有数の桜の名所でもある。温海温泉の名物は、温泉街中央広場に並ぶ朝市。4月から 月初めまで毎日早朝5時から8時まで開かれ、旅館名の入った浴衣姿の客でにぎわう。 |
舟の形をした物産館には、特産品直売コーナーと郷土料理コーナーがある。特産品の代表は、山間の村・関川で古くから織り続けられている「しな織り」。ここではしな織りの財布、小物入れ、帽子、バッグなどが販売されている。一番人気はにじ鱒を押し鮨にした「弁天ます鮨」(800円)。限定販売なので、前日中に予約が必要。 郷土料理コーナー「早磯ドライブイン」は、朝7時から営業しており、朝からすべてのメニューが揃っていてドライバーに喜ばれている。人気メニューは、焼き魚がのった「しゃりん定食」(2700円)や刺身の入った「早磯定食」(850円)。 駐車場の左は、生産者直販販売所の「屋外バザール」で、そば・うどん店、海産物店、山菜・果物店、アイスクリーム店が並ぶ。温海町名物の焼き畑農法で作られた「温海カブ」が人気商品となっている。アイスクリームはオリジナルで、海草のアオサが入った「アオサアイス」や、町内でたくさん採れるかやの実が入った「かやのみアイス」など(250円)。最近では九州から取り寄せて加工しているアヤムラサキイモを使ったお菓子や、ソフトクリームなどの開発に力を入れている。 すぐ裏に荒磯があり、崖の一部が階段状に整備され、夕陽観覧席となる。荒磯には300メートルほどの散策道が作られていて、磯の潮溜りで遊ぶことができる。毎年鼠ヶ関(ねずがせき)で花火大会が行われるが、ここの緑地広場が花火を見るのに絶好の位置になる。 |
特産の「しな織り」も展示されている | 海の幸、山の幸が並ぶ |
そばコーナーや海産物店 が人気の「屋外バザール」 |
●温海温泉 ●温海温泉バラ園 300本のバラが咲き乱れる。ツツジ園も隣接。 ともに問合せは、温海町観光商工課 0235−43−4617 | |
「温海温泉」名物の朝市 |
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数値等のデータは1999年現在のものであることをご了承下さい。 |