天然温泉大浴場付きの豪華な都市型リゾートホテル「サンピア仙台」は平成6年4月に仙台東部道路の仙台東インター近くにオープンした。施設は一流、値段は手ごろ、楽しみ方もいろいろとあって開業以来人気が高く、土曜・日曜などは大浴場がたいへんな込み具合というから、平日がお奨めか。
厚生年金受給者や被保険者を主な対象に国が建設し、(財)厚生年金事業団が委託を受けて運営する同種施設は全国に約120カ所あるが、充実した施設内容と手ごろな料金で一般者の利用も多い。「サンピア仙台」も例にもれず、むしろ新しく出来た分だけ施設面では更にグレードアップされているといえよう。
県都・仙台市の東の郊外に出現した斬新なデザインの「サンピア仙台」。リゾートとはいっても膨張著しい仙台のこと、今や市街地に飲み込まれそうな観がある。
「ここに立地を決めたころは、まだまだ田園地帯だったんですよ」と、屋上からの景色を眺めながら総務支配人氏が話してくれた。「工事を始める段階で温泉地質学会が『地層的には温泉が出る』とのことだったので、敷地内にボーリングしたら深度730mで出ました。湯ざめしない、とお客様の評判がいいんです」。
田園地帯の名残は幾つかの小さな畑地が点在するのみ。仙台市中心部のビル街から、ほとんど切れ目なく建物が続く。蔵王連峰をはじめとする山並みを背景にした大仙台を一望するのも悪くはない。
さて地上に戻って正面ロビーはというと、吹き抜けの高い天井からシャンデリアが垂れ下がり、総ガラス張りの2方向の壁面を通して陽光がふんだんにさしこむ。夜の外観も見事で、玄関へのアプローチから眺める風景は幻想的ですらあった。
客室は35 室(シングル15・ツイン4・身障者用ツイン1・和室13・和洋室2。収容定員87名)。露天風呂もある大浴場「仙台七郷温泉」、日帰り保養者用休憩室4室、会議・宴会場5、レストラン、ラウンジ、結婚式場、売店のほか、25mの屋内温水プール、アスレチックジム、シミュレーションゴルフ場2面、屋外レジャープール(流水プール・アドベンチャースライダー・幼児用プール)、テニスコート6面(照明設備付)、オートテニス場2面、ゲートボール場2面などを備える豪勢さだ。
宿泊は他の厚生年金保養施設や一般のホテル同様「素泊まり」なので、夜の仙台を食べ歩くのもいいし、もちろん「サンピア仙台」のレストランで一流シェフの味を楽しむこともできる。和食・洋食それぞれの月替わりディナーセット(1300円〜2200円)は値段も手ごろで人気があるという。
都会の雰囲気を味わいながらの公共温泉リゾートという点では、東北でも屈指の施設といえるだろう。
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ガラス張りの壁面からさんさん
と陽光がさしこむ明るいロビー
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