山形県
やまがたけんけんみんのもり
山形県県民の森
南とうほく花の湿原(日野東+葛西英明著)より
山形市・南陽市・山辺町・白鷹町問い合せ:森林学習展示館 023-666-2116
湿生植物の宝庫・琵琶沼。
ひっそりとたたずむその姿は神秘的でさえある
▼琵琶沼
 標高/600m 面積/2.3ha
 タイプ/高層

▼はんのき夫婦沼
 標高/600m 面積/0.5ha?
 タイプ/低層?
 白鷹山(しらたかさん)の自然を存分に生かした県民の森は広大な自然公園で、標高600m前後には池沼が点在し、湿生植物の見聞を広げるには絶好の場所である。
 県の天然記念物であり、山形県立博物館の自然学習園でもある琵琶沼は、特に貴重な存在。まずはここへ向かおう。
 クルマなら曲沼(まがぬま)付近の駐車場に停め、ここから西へ向かう。標識に従って右に曲がり、遊歩道を下ればほどなく木立に囲まれた琵琶沼が見えてくる。道はふた手に分かれるが沼を一巡するので、どちらをとってもよい。観察できる野草の花暦や木々に付けられた名札がありがたい。
 高層湿原的な性格を持つ琵琶沼の花の季節は、5月のミズバショウやミツガシワに始まり、ワタスゲやツルコケモモに引き継がれていく。ほかにもアギナシ、ムラサキミミカキグサ、モウセンゴケなどの湿生植物の宝庫だ。とりわけ重要なのがヒメカイウとホロムイソウだろう。
 ひと通り観察が済んだら、「はんのき夫婦(めおと)沼」へ向かいたい。そのまま曲沼の水面を覆うジュンサイを眺めながら歩いてもよいし、クルマで移動してもよい。
 「はんのき夫婦沼」の西岸も木道のある小湿地で、秋にはサワギキョウやエゾリンドウが美しい。ヒツジグサの多い沼にはタヌキモも認められよう。
 あとは荒沼畔のノハナショウブやミソハギを見るもよし、森林学習館を見学するのもよし、コースの設定は自由だ。
(葛西)

森林学習展示館。ここで案内図をもらうと便利


ルイヨウショウマの果実(9下)

6月中旬に咲くヒメカイウは、
自生地の限られた絶滅危惧種

9月下旬、曲沼の畔で
見かけたツルリンドウ

アドバイス
ミズバショウが目的なら、大平地区の群生地がお勧めだ。見ごろは5月上旬から。また白鷹山の登山と併せたプランも考えられる。
交通アクセス
◆クルマ/山形自動車道山形・蔵王ICから国道286号、県道経由で約21キロ。県民の森に7ヶ所無料駐車場がある。
◆電車・バス/JR奥羽本線・山形新幹線山形駅からタクシーで約30分。バスの便は1日1便しかない。
◆県民の森データ
園内散策自由/ただし園内の森林科学館は9時〜16時/月曜休館(祝日の場合は翌日)/4月29日〜11月30日開館/入館無料。

数値等のデータは2002年現在のものであることをご了承下さい。

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