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山形市西北部郊外の広々とした田園と果樹地帯の一角に、平成9年4月オープンした「いきいきの郷(さと)」は、国と山形県と山形市の補助金・助成金を主体に総事業費約37億円で建設され、社会福祉法人「輝きの会」が運営している。全国でも先駆的といわれる「地域開放型」の大規模な総合福祉施設だ。
「入所サービス機能」として特別養護老人ホーム(定員100名)・身体障害者療護施設(定員50名)・ケアハウス(自力で身の回りのことができる高齢者対象のマンション)など、「在宅介護支援機能」として老人デイサービス・身体障害者デイサービス・在宅介護支援センター・ホームヘルプサービス・給食サービスなど、「保健体育施設機能」として温泉浴場と温水プールなどが備わり、このうち温泉と温水プール(平成9年5月オープン)は一般に開放されている。
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「施設外の人々も自由に出入りする開放型機能をあわせもつことで、入居者やショートステイ利用者やデイサービス利用者と一般住民との出会いと交流の場に」という ノーマライゼーション の発想が施設設計と運営の基本になっている。弁護士会や医師会、町内会連合会などから役員(理事)を出してもらうという異色の体制で、「営業よりも利用者優先。できるだけ安くサービス提供を」が経営陣のモットーにしている。
施設面の充実ぶりは素晴らしい。たとえばケアハウスは個室と夫婦用部屋の2タイプがあり、各室にナースコール(24時間体制でスタッフ常駐)、トイレ、ミニキッチン、冷暖房完備している。共有スペースとして面会者用の宿泊施設、会議室、多目的懇談室、洗濯室などがあり、玄関はオートロック式。ミニキッチンが付いているといっても、むろん食事は3食とも栄養士によるメニューを食堂で取ることができる。
入居者は一般開放施設(温泉と温水プール)を無料で利用でき、入居者同士はもちろん、多くの一般利用者と極く自然に触れ合いの場と時間を共有できるわけだ。特別養護老人ホームその他施設入所者の家族や孫たちが、おじいちゃんおばあちゃんとの面会がてら温泉とプールを楽しむケースもあるという。
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充実した施設を備える「いきいきの郷」
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