山形県
万年雪と原始の面影が残された静かなコース
月山
東北の山小屋(福島キャノン会編)より
清川行人小屋・月山山頂小屋
岩根沢登山口〜烏川〜清川行人小屋〜山頂〜地蔵森山〜岩根沢登山口
 出羽三山の中でひときわ目立つ月山、標高1984mと決して高くはないが、万年雪を懐くその雄姿は修験道の山として神秘を感じさせるてくれる。このコースは、ところどころ薄いやぶに覆われ雪渓歩き、川の徒渉があり一部、コースが不明瞭な個所もあるので上級者向きである。
 岩根沢から出羽三山神社拝殿の脇を通り林道をたどる、途中烏川方向の林道と分かれるが、地蔵森山方向へと向かう。林道の終点が岩根沢登山口だ。地蔵森山方向に400mほど整備された登山道をたどると、分岐に出る。道標が無いので見落とさないように注意が必要だ。
 尾根を巻くように登山道は付けられている。ところどころやぶを分け進むと廃道になった林道終点に出る。 mほど進むと烏川に下る登山道が確認できる。烏川には、昔は橋があったらしいが今は無い。広い河原となっているので、状況を判断しての徒渉となる。川を渡ると踏跡のしっかりした登山道となる。ブナの美しい急登の尾根道をジグザグを切って登る。ひと汗かいた頃から傾斜が緩み清川行人小屋の前に飛び出す。
 小屋脇の登山道を少したどると小沢に架かる石橋に出る。この手前の道を西にたどるが草原状の湿原が登山道を隠している。ところどころ不鮮明な登山道をたどると本道寺コースと合流する。(標高1380m付近)ここからしっかりした登山道となる。やがて標高1600m付近から森林限界を越え明るい様相へと変わる。草原状で踏み跡が分かりずらいが時々ペンキマークがあるので確認できる。高山植物を楽しみながら草原を歩くと雪渓に出る。大雪城の万年雪である。傾斜は緩いが、足元はしっかりとしたい。雪渓を過ぎると目印のロープが、地について張られているのでこれをたどると胎内岩が見えてくれば、間もなく山頂である。
 今までの静かな山歩きと打って変わって賑わっている。頂上には月山神社がまつられ、期間中は山頂小屋も営業している。帰路は忠実に往路を戻るが、どこでも歩けそうな地形なので登山道を外さないよう、慎重に行動したい。清川行人小屋分岐を過ぎ、大らかなアップダウンを繰り返すと水場がある。間もなく地蔵森山と本道寺の分岐に差し掛かり地蔵森山を越えひと踏ん張りでスタート地点に戻る。
(河地尚志)

チングルマ

登山道は廃道に


月山山頂小屋

清川行人小屋

月山山頂上小屋内部

▼参考コースタイム
岩根沢登山口(15分)分岐(50分)烏川(1時間40分)清川行人小屋(30分)本道寺コース分岐(1時間40分)山頂(1時間20分)本道寺コース分岐(2時間)地蔵森山方面分岐(50分)岩根沢登山口
▼アクセス
JR山形駅から山形交通バス間沢行き乗車(1時間30分)間沢バス停から岩根沢登山口までタクシー50分。マイカーの場合、国道112号から岩根沢登山口まで1時間
▼2万5000分の1地形図名
本道寺、月山
▼アドバイス
月山の開山期間は、7月1日〜9月15日まで。登山口の案内板には、烏川から清川行人小屋への道は、廃道とある。しかし距離が短いため、本道寺コース経由より利用されている。烏川の徒渉は渇水期で川幅10m位、膝下位、水量次第だが増水時は危険だ。この場合、地蔵森山経由で本道寺コースをたどると良い。万年雪の大雪城付近はガスが出やすいので細心の注意が必要。頂上から弥陀ケ原や姥沢に向かうコースどりも可能である。

清川行人小屋
 月に一度岩根沢の宿坊組合から清掃に来ている。薪ストーブ、布団が有る。風呂も有るが故障中。
●小屋の清潔度/雰囲気:★★
●小屋の広さ(間取り):2階建て50人収容
●小屋のトイレ:有り
●水場の有無:有り
●小屋の連絡先:田村宅
 TEL 0237−74−3413
●夏の小屋番:無人
●料金:宿泊、一般1000円 学生800円
    休憩、一般 300円 学生200円

月山山頂小屋(営業小屋)
●小屋の清潔度/雰囲気:★★★
●小屋の広さ(間取り):平屋100人収容
●小屋のトイレ:有り
●水場の有無:500ml 500円
●小屋の連絡先:芳賀宅
 TEL 0235−62−2757
●夏の小屋番:有り(6/下頃〜9/中頃)
●料金:1泊2食8800円
    素泊まり5500円
数値等のデータは2001年現在のものであることをご了承下さい。

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