山形県
武士の風格のある山容に「クロブシ山」とも呼ばれる 黒伏山
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東北の山小屋(福島キャノン会編)より |
柳沢小屋 |
スノーパーク登山口〜黒伏山〜登山口 |
東根市の東方にある船形山に隠れた岩登りのメッカ。迫力ある岩壁上部からの眺望と相対する四季折々の森林歩きが楽しめる山。冬は隣接するスキー場が賑わいを見せる。 国道 号を東根温泉方面へ向かい、「スノーパーク」の看板に導かれ、スキー場「ジャングルジャングル」に向かう。スキー場第四駐車場付近に登山口の看板がある。ここから黒伏山全体が見渡せ、東西に約600m、落差約300mの切り立った岩場が印象的である。 村山野川と白水沢の合流点付近を渡渉する。以前は橋があったが、現在は朽ち果て苔生した残骸が岸にもたれかかっている。修復の予定はないとのことなので、増水時は注意して渡りたい。 一部不明瞭な個所もあるが、沢沿いに進む。廃道と登山道の分岐に標識があり、左に折れると足場が悪い急登となる。それを過ぎれば多少のアップダウンはあるものの黒伏の下を長くトラバースするようになるため、高度は稼げない。最初は杉と落葉樹の混交林だが、次第にブナやトチの木などに変わる。南壁に近づくにつれ、苔生した石畳の上を歩くようになると、木々の間から岩壁が望める。幻のキビタキの池という場所があるが、ブナ林真っただ中のくぼ地のため、春先のみ雪解け水がたまるのだろう。岩登りのパーティーがいる場合は掛け声が響いてくる。 岩壁が見えなくなると西尾根に取り付く。まもなく水場が現れる。この沢を越すと、標識が現れ、林道と山頂への分岐となる。分岐のすぐ上に遭難碑の杭がある。ここからの登り約300mが急坂である。足元に注意して登ろう。1185mピーク付近には、三叉路の分岐となり標識が立っている。右の行き止まりの方に進むと南壁上部に出、見晴らしが良い。蔵王連峰と船形山が望め、眼下にはスキー場と通ってきたブナの森が広がる。山頂(1227m)からの見晴らしは良くない。展望を楽しむなら手前のコルか南壁上部がお勧めである。 帰路も同じルートを戻る。足場が悪い急坂は特に慎重に下りたい。 (手塚啓一)
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黒伏山 |
柳沢小屋内部 | |
柳沢小屋 |
▼参考コースタイム 登山口(1時間40分)遭難碑(1時間)黒伏山頂(2時間10分)登山口 ▼アクセス 自家用車かタクシーの利用となる。国道48号から国道 号に入り、スノーパークジャングルジャングルを目指し、スキー場第四駐車場が登山口となる。柳沢小屋はその先の林道を約2kmほど進む。 ▼2万5000分の1地形図名 船形山 ▼アドバイス 舗装道路から村山野川を渡り南壁下まで真っすぐ取り付く、クライマー用のルートもある。山頂までの往復だけが目的なら、黒伏山西側のすぐ下まで通じている林道も利用できる。健脚であれば白森、福禄山、柴倉山の周回縦走も可能。東根温泉公衆浴場のお湯は熱めだが、素朴な感じであり、ぜひ立ち寄って汗を流したい。 |
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数値等のデータは2001年現在のものであることをご了承下さい。 |