んだんだ劇場2004年1月号 vol.61
No22
3章 宇宙論素粒子論――来し方行く末

◆久野純治
栃木県出身 1968年生
東北大学理学部卒、東北大学大学院理学研究科修了。ミネソタ大研究員、高エネルギー加速器研究機構助手を経て、現在東大宇宙線研究所助教授。


――湯川さんやアインシュタインの頃から、理論の研究は紙と鉛筆があればできるという印象がありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
 今ですと、もちろんコンピュータも使います。あと実験の結果を使いますね。あとは論文を読むこと、人と議論すること、この2つのことが一番重要です。
――そういう際は模型を思い描いて考察を進めていくのですか。
 代表的な方法としては2つあります。一つはトップダウン的なもので、例えば弦理論(ひも理論)が一番いいと考えたらそれを出発点にして、実際に観測されるものがどのように説明できるか、繋いでいきます。
 もう一つは、実際の実験で説明できないものがあったとして、それを説明するにはどう考えるべきか、下から理論を組み立てていくボトムアップのやり方です。
――コンピュータを使うのは、そういうことのシミュレーションを行うわけですか。
 そうですね。
――コンピュータシミュレーションというのは実験分野ではないのですか。
 数値シミュレーションは理論分野ですね。
――ある実験屋の先生は、目の前のことで手一杯で、宇宙の果てはどうなっているかみたいな哲学的・抽象的なことは一切考えないとおっしゃっていましたが、理論屋の先生は宇宙はこうあるはずだという哲学的なところから出発せざるを得ないのでは。
 哲学的であるかどうか分かりませんが、全体像を整えるようなことはします。例えばある種の素粒子模型を作ったとして、それが宇宙でどういう役割を果たしていたかなど、物理全般での係わりを考えます。

――理論と実験の間では、常にフィードバックが行われているのですね。
 理想としてはそうですが、現実的には実験データがなかなか得られなかったりして、理論が完全に先行してしまうようなこともあります。基本としては、実験と理論が車の両輪の関係であるべきでしょう。
――実験を提案することもあるのですか。
 それはあります。この理論ではこういうものを見るべきだ、という提案はします。
――実験で得られたデータの解釈というのは、どちらの仕事になるのですか。
 両者がやります。
――量子力学で量子の振る舞いを記述できる、小林=益川理論でCP非保存を記述できる。でもそれと、量子力学や小林=益川理論が持つ意味を解釈するのはまた別のことでは。それは理論屋の仕事では。
 意味というのが、背後にある理論は何であるかということでしたら、もちろん考えます。理論にもよりますが、量子力学の背後にある理論ということなら、話は大変難しくなりますね。小林=益川理論で言えば、複数のパラメータがあるとかある種の構造が見えるとかありますので、それをいかに説明するかという観点で、模型を構築しようとたくさんの理論研究家が努めています。
――実際の現象をうまく記述できているものに、それ以上の意味を持たせる理論は、検証が難しくなるのでは。
 それは模型によるでしょう。検証できない模型というのもたくさんあります。
――大統一理論は、登山に喩えたら何合目まで来ているとお考えですか。
 それはなんとも言えないですね。本当の頂上をまだ誰も知りませんから。
――大統一理論の要求する各種のパラメータが実験で明らかになってくれば、理論は完成するのでしょうか。
 ある段階で完成と言えるでしょう。ただ、大統一理論は完全なわけではありませんから、その次の理論へと進んでいかなければなりません。弦理論が解けたら全てを自己矛盾なく記述できるのではという期待がありますが、まだそこまで行っていません。
――そうすると弦理論というものは、大統一理論の形がもっとはっきりしてこないことには、見通しが立たないわけですか。
 そんなこともないと思います。それこそ弦理論が全て解けて、素粒子質量や相互作用が全部出てくれば、弦理論は正しいんだということになると思いますよ。
――それには、一般相対論がリーマン幾何学を必要としたように、新たな数学が必要になってくるわけですか。
 いろんな数学が必要です。
――理論の整合性以外に、この理論を検証する手段はあるのですか。
 ある種の提案はありますが、これだといった決定的なものは今のところないですね。
――超対称性を実験で明らかにするのは可能なのですか。
 可能でしょう、加速器物理で実際に観測をやっていますから。例えばCERNのLHCで見つかる期待はけっこう大きいと思います。ヒッグス粒子の質量にも上限が与えられますので、(超対称性の存否は)かなり確実になるでしょう。
――LHCでヒッグス粒子は見つかるだろうと。
 見つかるだろうと思います。
――超対称性粒子は。
 見つかるかも知れません。
――世界各地で基礎実験が行なわれているわけですが、先生個人としてはもっとも期待しているのはやはりLHCですか。
 確実に予算が付いていて動く目途も立っているわけですから、その意味では一番期待が高いです。
――陽子崩壊がなかなか見つからず、陽子の寿命がどんどん長くなっていくことに、焦りは感じませんか。
 あまり感じません。陽子の寿命が延びることも(理論の上では)まったく問題ありません。
――ハイパーカミオカンデを作ったとしても、陽子崩壊を観測できないかも知れないのですね。
 今のところその可能性は排除できません。

――いつの頃から研究者を目指したのですか。
 なろうと決めたのは大学院のときです。
――最初から理論屋になろうと。
 そうですね。大学院のときには理論研究をやっていましたから。
――やはり実験屋の先生が言ってらしたのですが、素粒子の試験などは非常に難しくてうんと勉強しないと理論はやれないと。先生はその勉強は苦ではなかったのですか。
 いろんなことを知っておかないと(理論を)やれないのは分かっていましたから、研究のためと考えたら苦でも勉強しますよ。
――国立大学の独立法人化は理論分野にはほとんど影響ないですか。
 いや、あると思いますよ。実験の力が弱くなっていったら、理論にも響きます。
――この半世紀の基礎物理の進展は目を見張るものだったと思いますが、今後も同じような進展が望めるとお考えですか。
 ある程度の進展は望めるでしょう。
――進展に大きく寄与した加速器での新粒子発見などは、今後難しいのでは。
 そうとも言えません。LHCでけっこう見つかるかも知れませんよ。
――理論研究の意義を問われたら、どのように答えられますか。
 多分、素粒子物理は人間の作ってきた最高のものの一つではありますが、理論研究はそれを緻密に調べより堅牢にする一方で、今ある理論の先になにがあるかを常に考えることです。また得られた理論をもとに、この宇宙の成り立ちの理解を導くことです。

(2003.12.1)



関連年表
量子的揺らぎ 宇宙誕生。137億年前(NASAの2003年見解)
10-44 インフレーション、ビッグバン、重力の分離
10-33 宇宙温度1030K。大統一時代の終了、電弱力と強い力に分離
10-10 電弱力の分離、電磁気力と弱い力に。クォークの時代
10-3 宇宙温度1兆度、陽子・中性子の時代
3分 宇宙温度10億度、電子・原子核の時代
30万年 宇宙の晴れ上がり。宇宙温度3000K、原子の時代
38万年 宇宙の晴れ上がり(NASAの2003年見解)
1億年 星の誕生(NASAの2003年見解)
2億年 銀河の形成(NASAの2003年見解)
10億年 原始銀河の誕生
80億年前 楕円銀河の一斉誕生?
46億年前 太陽系の誕生
8億年前 クェーサーの活動、下火に?
6億年前 M81銀河とM82銀河、衝突
16万年前 大マゼラン銀河で超新星爆発(SN1987A)
3万3千年前 へびつかい座で超新星爆発(SN1604)
5千年前 超新星爆発、カニ星雲に(SN1054)
4千年前 おおかみ座で超新星爆発(SN1006)
BC6世紀 タレス、琥珀を用いて静電気を研究
BC5世紀 デモクリトス、原子(アトム)説を提唱
BC4世紀 アリストテレス、物質の4元素説を提唱
BC3世紀 アルキメデスが活躍
BC2世紀 ヒッパルコス、天球図を作成
2世紀 プトレマイオス、緯線・経線を導入した地図を作成
1006 おおかみ座に超新星
1054 超新星爆発、残骸がカニ星雲
1181 超新星爆発、残骸はカシオペア座の3C58と思われる
1492 コロンブス、アメリカ大陸に到達
1572 カシオペア座に超新星、ブラーエが観測
1604 へびつかい座に超新星、ケプラーが観測
1609 ガリレオ、自ら製作した望遠鏡で天体を観測
1610 ガリレオ、望遠鏡で木星に4つの衛星を発見
1665 ニュートンが林檎の落下から万有引力を発見した、と伝わる
1684 ニュートン、「軌道上にある物体の運動について」を書き上げる
1687 ニュートン、プリンキピアを発表
1745 ライデン瓶考案される
1752 フランクリンの雷実験
1772 ラボアジエ質量保存の法則を発見
18世紀後半 メシエ、M天体カタログを作成
1799 ドルトン、質量比の法則を発見
1800 ボルタ、電池の原型「ボルタのパイル」を発明
1801 ボルタ、ナポレオン臨席のもと電池で電気実験
1808 ドルトン、原子説を提唱
1820 エルステッド、電流の磁気作用を偶然発見
1831 ファラディー、電磁誘導に成功
1842 ドップラー、ドップラー効果を発見
1864 マクスウェルの方程式
1869 メンデレーエフの周期律表
1871 マクスウェル、キャベンディッシュ研究所の初代所長に
1880年代 マイケルソン、干渉計でエーテルの検知を試みる
1885 アンドロメダ銀河で超新星
1887 マイケルソン=モーリーの実験、エーテルを検知できず
1896 レントゲン、X線を発見
1897 トムソン、電子を発見
1900 プランク、黒体輻射の研究から量子仮説を発表
1901 レントゲン、第1回のノーベル賞を受賞
1903 キュリー夫妻とベクレルにノーベル賞
1905 アインシュタイン、特殊相対性理論・光電効果・ブラウン運動の論文を立て続けに発表
1907 光速度の測定が評価され、マイケルソンにノーベル賞
1911 ラジウムの発見でマリー・キュリーにノーベル化学賞
  ラザフォード、原子核の存在を明らかに
1912 ヘス、宇宙線を発見
  レビット、セファイド変光星の明るさと周期に相関を発見
1913 ハッブル、弁護士を開業
  ボーア、量子論によって水素原子のバルマー系列を説明
1914 スライファー、十数個の星雲の赤方偏移を発表
1915 アインシュタイン、一般相対性理論を発表
1917 ド・ジッター、物質の存在を無視した宇宙で膨張の解を見つける
  ハッブル、フランス戦線で右腕を負傷して復員
  プランクにノーベル賞
1919 ラザフォード、陽子を発見
  ハッブル、ウィルソン山天文台でガス状星雲の観測を始める
  エディントン、皆既日食を観測し光が太陽の重力で曲げられるのを確認
1922 フリードマン、アインシュタインの宇宙模型に3つの解を見つける
  ボーアにノーベル賞
  アインシュタインに1921年度のノーベル賞
1923 ミリカン、油滴を使った電荷測定でノーベル賞
  コンプトン、コンプトン効果を発見
1924 ブロイ、電子は核の周りをまわる波動であると主張
  ハッブル、アンドロメダ星雲が系外銀河であることを明らかに
1927 ハイゼルベルク、不確定性原理を発表
  ルメートル、膨張宇宙を提案
  コンプトンにノーベル賞
1928 クライン=仁科の公式が発表される
1929 ハイゼンベルクとパウリ、電磁場に量子論を組み込んだ量子電磁力学を提唱
  ハッブル、銀河の距離に比例する赤方偏移を報告
  ド・ブロイにノーベル賞
1930 パウリ、β崩壊に仮想粒子の関与を提唱
1931 ジャンスキー、宇宙からの電波を発見
  ゲーデル、不完全性定理を発表
1932 チャドウィック、中性子を発見
  アンダーソン、宇宙線に陽電子発見
  コッククロフトとウォルトンによって最初の加速器が作られる
  ハイゼンベルクにノーベル賞
1933 フェルミ、仮想粒子によるβ崩壊理論を作る
  シュレディンガーとディラックにノーベル賞
1935 湯川、中間子仮説提唱
1936 アンダーソンとヘスにノーベル賞
1936 レーバー、自宅裏庭に人類初の電波望遠鏡を設置
1937 太陽のエネルギーは水素の核融合であるとする理論が提唱される
  アンダーソン、宇宙線にμ粒子を発見
1938 オージェ、空気シャワーを発見
  クライン、β崩壊の際のW粒子仮説を提唱
1943 セイファート、セイファート銀河を見つける
1944 ラビにノーベル賞
  シュレディンガー、「生命とは何か」公刊
1945 原子爆弾を開発
  排他原理の功績でパウリにノーベル賞
1946 ガモフ、ビッグバンを主張
1947 パウエル、宇宙線にπ中間子を発見
1949 湯川、ノーベル賞受賞
  ファインマン・朝永・シュウィンガー、繰り込み理論を提唱
  大阪市大が乗鞍岳で戦後初の宇宙線観測
1950 朝日新聞学術奨励金による乗鞍岳観測小屋建設
  パウエル、ノーベル賞受賞
1950年代 大型加速器が次々と新粒子を発見
1951 バーデとミンコフスキー、パロマー山の5m望遠鏡で電波源はくちょう座Aを同定
  コッククロフトとウォルトンにノーベル賞
1952 水素爆弾を開発
  クレーザー、泡箱を発明
1953 東京大学宇宙線観測所が発足
1955 東京大学原子核研究所が設立
1956 リーとヤン、パリティ非保存を予見、ウーが確認
  ライネスとコーワン、原子炉のニュートリノを捕える
  イギリスに世界初の原子力発電所
1957 シュウィンガー、光子とW0の同一性を主張
  リーとヤンにノーベル賞
  ポンテコルボ、ニュートリノと反ニュートリノ間の振動を考察
1958 乗鞍でエマルションチェンバーによる観測始まる
  チェレンコフにノーベル賞
1959 ケンブリッジ・カタログ第3巻公刊
  乗鞍で空気シャワー観測始まる
1960 ボリビアとの国際協力研究が始まり、現在BASJE実験が進行中
  クレーザーにノーベル賞
1960年代 共鳴型検出器での重力波検出が試みられる
  ロケットの登場で宇宙天文学が開かれる
1962 加速器による世界初のニュートリノビーム、電子ニュートリノとμニュートリノの存在が明らかに
  牧、中川、坂田ら、フレーバ間の混合を提案
  リンズレー、最高エネルギー宇宙線を捕える
1963 ゲルマンとツワイク、クォーク理論を提唱
  褐色矮星の存在が理論的に予測される
  シュミット、クェーサーのスペクトルを同定
1964 クローニンとフィッチ、K中間子でCP非保存を発見
  ヒッグス、ヒッグス粒子を提唱
1965 ガンとピーターソン、「ガン=ピーターソンの谷」を予言
  ファインマン・朝永・シュウィンガーにノーベル賞
  ペンジアスとウィルソン、宇宙背景放射を捕らえる
1967 ベル、宇宙からの1.33秒のパルスを発見
  サハロフ、物質存在のための3条件(CP・バリオン数・熱平衡の破れ)を提示
  米の軍事衛星が偶然にγ線バーストを捕らえる
  ベーテ、恒星内部での核エネルギー発生メカニズムを解明した功績でノーベル賞
1968 富士山でエマルション実験始まる
  ワインバーグとサラム、電磁力と弱い相互作用を統合
1969 デービス、太陽ニュートリノを捕える
  ゲルマンにノーベル賞
1960年代末 プリゴジン、散逸構造論を提唱
1970年代初期 南部や後藤ら、強い相互作用を行うボース粒子を説明するひもの力学模型を作る
1970年代 長距離間で働く第5の力の検証
1971 高エネルギー物理学研究所が設立
1972 最初のニュートリノ国際会議が開かれる、84年以後1年おきに開催される
1973 小林=益川理論
1974 ハルスとテイラー、連星パルサーの公転周期の減少から重力波を発見
  ライルとヒューイッツに、天文学的貢献での初のノーベル賞
1975 サハロフにノーベル平和賞
1976 東大宇宙線観測所を東大宇宙線研究所に改組
1977 プリゴジンにノーベル化学賞
1978 国際紫外線観測衛星(IUE)、打ち上げ
  ペンジアスとウィルソンにノーベル賞
1979 X線天文衛星「はくちょう」打ち上げ
  小柴昌俊、浜松テレビに大型PMT製作を依頼
  明野村で広域の空気シャワー観測を開始
  日米共同の気球実験JACEE始動
  シュウィンガー・ワインバーグ・サラムにノーベル賞
1980 クローニンとフィッチにノーベル賞
1980年代 数々の実験で、量子力学の正しさが証明される
  陽子崩壊の観測実験始まる
  Fly’s Eye・HiRes、大気蛍光観測
1981 クーら、1次元の大深度ペンシルビーム探査を開始
  カンパラ山でのエマルションチェンバー実験開始
  カーシュナーら、6ヶ所でペンシルビーム探査を開始
1982 ヤウにフィールズ賞
  カミオカンデのために、1050個の50cm光電子増倍管が作られる
1983 恒星の進化を解明した功績で、チャンドラセカールにノーベル賞
  カミオカンデ完成、観測始まる
  CERNでWボソン・Zボソンを発見
  X線天文衛星「てんま」打ち上げ
1984 シュワルツとグリーン、重力異常項を生じない超ひも理論に成功
1985 ゲラーとハクラら、広領域のスライス探索(CfA赤方偏移サーベイ)を開始
  MSW効果が提唱される
  スーパーカミオカンデ、構想される
1987 X線天文衛星「ぎんが」打ち上げ
  カミオカンデ、太陽ニュートリノ観測開始
  大マゼラン銀河に超新星、SN1987A
  カミオカンデ、SN1987Aからの11個のニュートリノを捕える
1989 宇宙背景放射探査衛星COBE打ち上げ
  チェレンコフ望遠鏡Whipple、空気シャワーの解像からカニ星雲のγ線を捕える
  衛星ヒッパルコス打ち上げ、数百光年までの星の正確な距離を算出
  ヤンパーチンに空気シャワー観測装置を建設、有効検出面積8100m2のTibet-T始動
  常温核融合騒動勃発
  イメージング法で、γ線チェレンコフ望遠鏡が可能に
1990 ウィッテンにフィールズ賞
  衛星レントゲン(ROSAT)打ち上げ、X線による全天サーベイ開始
1990 AGASA完成
1991 スーパーカミオカンデの建設が始まる
  γ線観測衛星「コンプトン」打ち上げ
1992 CANGAROOT、γ線観測を開始
1993 X線天文衛星「あすか」打ち上げ
  世界一の加速器になるはずだった米国のSSC、財政難で中止
  ハルスとテイラーにノーベル賞
1994 日ロ共同の気球実験RUNJOB始動
1995 300m重力波干渉計TAMAの建設始まる
  褐色矮星が発見される
  36,900m2のTibet-U始動
  ウィッテン、11次元のM理論を発表
  フェルミ研究所の陽子反陽子衝突型加速器、トップクォークを確認
  ライネスにノーべル賞
1996 NASA、宇宙望遠鏡ハッブルの観測から宇宙年齢を80億年程度と発表
  Tibet-U、エマルションとの連動観測を開始、5200m2で高密度化
  スーパーカミオカンデ、本格的に始動
  カミオカンデ、役目を終える
  超新星残骸RXJ1713発見
1997 高エネルギー加速器研究機構(KEK)発足
1998 SDSS、観測開始
  NEUTRINO98で大気ニュートリノ振動の発見を発表
1999 Tibet-U、カニ星雲からのγ線を検出
  TAMA、実験を開始
  SDSS、1年の観測で2個のT型褐色矮星を発見
  X線天文衛星「チャンドラ」打ち上げ
  20m重力波干渉計、神岡に移設
  東海村で臨界事故
  NASA、宇宙望遠鏡ハッブルの観測からハッブル定数を70と提唱
  CANGAROOU、7m反射望遠鏡で観測開始
  K2K実験始まる
2000 X線天文衛星アストロE、打ち上げ失敗
  CANGAROOV、10m反射望遠鏡で観測開始
  NEUTRINO2000で太陽ニュートリノ振動が発表される
  「コンプトン」大気圏に突入
  X線天文衛星「アストロE」軌道投入に失敗
2001 TAMA、世界最長観測を樹立
  Tibet-U、活動銀河核Mrk421が発したフレアのγ線を捕える
  SLACとKEK、B中間子でほぼ同時にCP非保存を確認
  20m干渉計、地球潮汐を検知
  ベッカーら、最遠のクェーサー(z=6.28)のスペクトルにガン=ピーターソンの谷を発見
  SNO、太陽ニュートリノ振動を追認
  SDSS、赤方偏移6.28のクェーサーを発見
  スーパーカミオカンデで爆縮事故、衝撃波で6割のPMTを失う
2002 600m重力波干渉計GEO、テストラン
  SNO、3世代の太陽ニュートリノの観測に成功
  100m低温干渉計CLIO、神岡に建設始まる
  小柴、デービスと共同でノーベル賞受賞、残り半分はジャコーニが受賞
  ヨーロッパ宇宙機関が中心になってγ線観測衛星「インテグラル」を打ち上げ
  スーパーカミオカンデ、衝撃波防止ケースに入れられた約5200個のPMTを再配置して実験再開
  K2K実験再開
2003 SDSS、赤方偏移6.4、6.2、6.1の3つのクェーサー発見を発表
  NASAN、背景放射のマイクロ波を観測から宇宙は平坦と発表
  36,900m2の高密度化で、Tibet-V完成
  4km重力波干渉計LIGO稼動
2004 国立大学、独立法人化される
2005 中国とイタリアの共同γ線実験ARGO稼動(予定)
2006 宇宙線望遠鏡フェイズ1完成、観測開始(予定)
2007 CERNの陽子衝突型加速器LHC完成(予定)
2011 スペースレーザー干渉計LISA打ち上げ(目標)
100万年後 太陽の核融合で現在生み出されているエネルギーが、電磁波となって地球に到達する
3億年後 連星パルサーPSR1913+16合体
40億年後 地球、太陽に呑み込まれる
50億年後 太陽、赤色巨星に
間違い、勘違い、見当違いにお気づきになりましたら是非ご一報願います。  塩野梅也


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