んだんだ劇場2005年6月号 vol.78

No36−歯痛に思案中−

GWはミニ引越しから
5月2日(月)世の中はGWに浮かれているが、こちらは関係なし。ある人物伝というかノンフィクションの書き下ろし作業に没頭している。これは小生の著作物ではない。本にしたい人物がいて、その人の聞き書きと執筆を私が担当し、彼の名前で本にするつもり。GWのまとまった休みの機会を利用して、といっても昨日から猛然と書き始めた。今日はカレンダーどおり仕事。息抜きに恒例の月曜レッスン。久々に見た懐かしい人もいたり、男が3人もいるレッスンは休日のせいか。汗をかいてシャワーで全身をきれいに洗い、気持ちもリフレッシュ、また明日からのハードな原稿書きに備える。

GW中の貴重な出勤日(?)だが、実は今日はカミさんの衣裳部屋を改装して、義母の部屋にするための「ミニ引越し」という大仕事もあった。カミさんは仕事なので小生が仕切るのだが(業者の方も来てくれた)、厄介なのは大量にでるゴミ。小生は思い切ってすべてを捨ててしまうタイプだが、カミさんは30年前のチラシ1枚でも残しておく性格、だからいつもけんかが絶えない。今回はうるさい人間がいないので思い切っていろんなものを処分。後からけんかの火種になるのは明白だが、捨てないとこちらの気もおさまらない。

新聞に気になる記事が載っていた。アメリカの医学者たちの報告で、マラソン時の水分の取りすぎは、身体の塩分濃度を下げ、ミネラル不足を招くので、医学的にもスポーツ科学的にもよくないことがわかった、という記事である。これはショックな調査報告だ。推論ではなく国際的なマラソン大会で何度も一流選手からアマチュアまでデータを取った結果で、水分の取りすぎでリタイアしたり、死に至った例を細かく論証しているらしい。もう少し詳しくしりたいなあ。最近、息子がマラソンに目覚め、今年は国内のいろんなレースに出場を検討しているようだ。来年のホノルルマラソンが目標だそうだ。いつも水分補給の大切さを強調してきたのだが、すこし見方を変える必要が出てきた。



よく本が当たる5月だ
5月13日(金)午後の2時半の便ANAで東京。インターネットの特割専門なので1万2千円が基本料金だが便によって微妙に値段に差。事務所についてすぐ銀座に出かけ、新聞記者のSさんTさんとベトナム料理屋さんで一献。ここのチーフコックさんは去年、横手市の「食のシンポジューム」でご一緒したMさん。米粉をつかったベトナム料理を指導してくれた人だ。いろいろサービスをしてもらう。夜、かなり激しい歯痛。がまんして左江衆一著「黄落」。92歳の父と87歳の母を介護する息子夫婦を描いたもので、読み進むのが惜しくなるようなおもしろさ。
5月14日(土)朝になると歯痛は消えていた。10時から事務所の引越しに関する業者との打ち合わせ。たっぷり2時間。午後から引っ越す予定の中野周辺を散策するが、あまりに乱雑な町で取り付く島がない。グッタリ疲れて帰ってくる。
5月15日(日)土日でもというか土日だからこそなのだろうが不動産関係者は休まない。新宿にある不動産会社により事務所移転のために手続きに行く。新宿を久しぶりにうろつくが、おもしろそうな映画もないので東京駅の大丸へ。半袖のジャケットを買い、駅地下の沖縄料理店ですこし早めの食事。夜、歯痛ひどい。「黄落」読了。飯田橋の本屋で衝動買いした横田増生「アマゾン・ドット・コムの光と影」を読み始める。これもおもしろくて止められなくなる。でも歯も痛い。
5月16日(月)「アマゾン」読了。おもしろくて夜更かしのため起床は11時。昼は地方小K氏といつもの出版クラブ。ここのランチはおいしい。外をぶらつく元気なく事務所に帰って本屋で買った高峰秀子「おいしい人間」を読む。これもおもしろくて暗くなるまでソファーに寝転んで読了。今回は本がよく当たる。このままでは読む本がなくなるので、新潮社前にあるタナぞろえが気に入っているM書店でアン・タイラーの新作文庫を念のため「補充」。夜は神楽坂でアフガニスタンから今日帰ってきたばかりという九州・博多の同業者Fさんと一献。興味深い話をいろいろ聞かせてもらう。2次会は飯田橋の沖縄料理屋。最近沖縄料理にはまっている。来月はシンポで那覇に行く予定。深夜、猛烈な歯痛。これやぁどうも酒と関係がありそうだ。
5月17日(火)昼の飛行機で帰るのだが楽しみは羽田空港第2ターミナルの「餉餉」というビュフェ式の和食レストランで食事をすること。そのため午前中は何も食べない。早めに羽田についてゆっくり食事。ほとんどが女性客だ。機中で吉川潮「浮かれ三亀松」を読み続ける。これも当たりだった。

5月20日(金)東京にいる間にエアロビ仲間のIさんから「金曜日のK先生のレッスンがおもしろい」というメール。さっそく行ってみる。名前は結婚して代わったが数年前によくレッスンを受けたY先生だった。話をすると八年ぶりの復活のようだ。メリハリの利いた動きで、大声を出させる、元気なインストラクター。かなりへばるが、どうにかついていく。その後に30分の筋コン・ストレッチがあったのだが、間が10分あいているので、てっきりレッスン終了を勘違いして着替えてしまう。ストレッチ出たかったなあ。でもこれで月曜金曜の「週2回」ローテーションが定着しそうで、うれしい。

それにしてもスポーツクラブの会員が増えたせいだろうが、ロッカールームのマナーは最悪。昔のようにタバコを吸う人こそいなくなったが、口笛を吹き続ける人、自分の荷物を共用机にひろげて独占して平気な人、タンニングルームとかいう部屋で身体を異常なほど黒く焼く若者(皮膚がんの知識がないのだろうか)、ものすごく臭う整髪料を撒き散らす人など、かなりひどい。ま、あまり人のことは言えないけど。

東京出張以来、歯痛ひどく、レッスン終了後、駅前の新規開院の歯医者に飛び込む。去年から2院ほど歯医者を替えているのは、どちらも治療方法に納得がいかなかったから。インフォームド・コンセンサスの問題なのだが、実際に治療を受けたあとのトラブル(歯痛など)が多いのを見ても不信感は募る一方だ。とにかく長く通院させようとしている金儲けの魂胆だけがミエミエで、余計な治療を平気でするくせに最小限の痛みを止めることすらできない。歯医者が代わるたびに前の治療痕を「これはひどい」とかいっちゃって、またほじくり返すのだから頭に来る。十数年前に通っていた信頼できる歯医者があったのだが、ここの看護婦はもう代替わりしていて、昔の看護婦さんのレベルとは似ても似つかぬ「素人」ばかり、泣く泣くあきらめた経緯がある。ここは先生が忙しくてほとんど看護婦の力量だけが頼りなのだ。今日飛び込んだ駅前歯科はまだ若い人で、技術的なことは不明だが、とりあえず人間はそんなに悪くなさそうだ。夜、歯痛はどうにか止まり、久々に夜おいしいお酒を飲んだ。さて、明日以降、この歯医者に通おうか、どうしようか思案中である。


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