んだんだ劇場2005年7月号 vol.79

No37−飛行機で駆け回った6月−

温泉にでも行かなきゃ身体がもたないなあ
5月30日(月)5月最後のレッスンだが、けっきょくトータル3回しかいけなかった計算。2月からエアロを再開して月最低5回を目標にしてきたのだが、ここまで月平均3回がやっと。体力と仕事との兼ね合いを見ながら回数を増やす努力をしなければ。仕事以外にもプライベートで義母の問題や家のリフォーム、東京事務所の引越しなど、問題山積なのだが一番怖いのは体力の衰え。その兆候ははっきりあらわれていて、これはトレーニングよりも疲労蓄積をどう防ぐか、苦手なリフレッシュを生活にどう取り入れるか、こちらのウエイトが重くなっている。う〜ん。

6月1日(火)〜4日(土)ANAの午前便で東京。事務所が神楽坂から中野に引っ越し。3日に引越し屋さんが入って本番なのだが前日から息子と二人、秋田に持ち帰るものと中野に持っていくものの仕分け。息子は一番忙しい時間帯にバイトに行った。この一大事に自分勝手さに頭に来る。夕方まで荷物をすべて運び出す。4日には中野の新事務所の後片付けも済ませ、その日の夕方の便で帰秋。秋田の事務所でも東京から運び込まれた荷物を2階に運び上げる作業の真っ最中。とにかくへとへとに疲れた。目の奥の頭の芯が燃えるような感じで、頭がジーンとしびれている。もしかして脳溢血、と心配になる。精神的にも肉体的にも疲労がピークに達しているのは確実。どこかで強制的に休みをとらなければ大変なことになる。
4日に無理に帰って来たのは5日(日)の朝6時から町内のどぶ掃除があるため。側溝を持ち上げる器械を扱えるのが私だけなので(というか小生が一番若いため)欠席が許されないのだ。しんどい。

6月8日(水)〜11日(土)
引越しの疲れも取れぬままANA便で東京。このごろもっぱらANA利用。第2ターミナルができたこともあるしマイレージを貯めたい気持ちもある。今回の出張は引越しに伴う不動産屋さんとの事務的なやりとりが主。夜は時間があくので友人と会って食事をしたりする余裕もあったが、けっきょくは中野の新事務所の片づけにほとんどの時間忙殺される。もう引越し(片付け)に関してはかなりの腕前。またしても11日の土曜日にあわただしく帰秋することになったのは日曜日にゆっくり休みたいから。昔はこんなこと考えたこともなかったのに。衰えた体力をいたわりながらとぼとぼと、生まれてはじめてみる下り坂の風景を見ながら山を降りていく感じ、といえばわかってもらえるだろうか。6月に入って毎日のように旅をしながら機中や車中で本を読むのだけが楽しみ。川上弘美『古道具 中野商店』、永沢光雄『声をなくして』、角田光代『しあわせのねだん』、上原隆『雨の日と月曜日は』、出久根達郎『続御書物同心日記』……これぞ、という本には当たらなかったが、一番おもしろかったのはトイレのなかに置いて読む「便所本」(汚いネーミングだなあ)の沢野ひとし『さわの文具店』。ふ〜っつ、温泉にでも行きたいなあ。

沖縄はあいにくの雨
6月16日(木)〜21日(火)
16日、昼のANA便で東京。秋田空港内の売店で朝舞漬け物研究会の「漬け物」を買う。自分で食べるため。中野の事務所について自炊しながら外に出ないで引越しの片付け。いくらやってもやることはウンザリするほどある。
17日、昼のANA便ジャンボで沖縄へ。那覇・ボーダーインクの創業15周年のシンポに呼ばれたもの。主催者から送られてきたデスカウント・クーポンチケット(宿も一緒)はマイレージがきかない。地方・小のK氏と一緒なので退屈はしないが飛行機はだいぶ揺れた。ホテルについてウエルカムパーティーまで時間あるので国際通りの日本蕎麦屋でいっぱい。「泡盛飲みたい」といったら店の娘に「日本酒しかありません」といわれる。蕎麦は食べずカツ煮で飲んだのだが、信じられないほどこのカツ煮がうまい。考えてみれば豚肉の本場だからうまくて当然。沖縄の郷土食は奥が深い。ウエルカムパーティーから2次会とおいしいもの食べまくり。ほとんどが口に合うのはどうしたことか。おれの前世は沖縄なのかな。
18日、午前中に那覇市内の書店などをK氏とあわただしく回る。収穫多し。2時半からホテルのすぐそばの会場でK氏の記念講演と南の地方出版社何社かのシンポジューム。おわってパーティ。前日行っておつまみがうまかったクース(古泡盛)酒場で2次会。
19日、モノレールで飛行場まで。空港で沖縄そばを食べ、自分用のジーマミ豆腐を買って東京へ。またしても中野の事務所で引越しの後始末。パソコンの故障で他の電気系統も変になり、命綱のファックス、電話とも不通。秋田とも連絡がとれない最悪の事態。ふてくされて早めに寝る。
20日、初めて中野周辺を歩く。本屋がほとんどないのにショック。早稲田通りを中野から高田馬場まで歩くが、本屋は両駅前の「あおい書店」があるだけ。道中、豆腐やさんは3軒もあったのに。読む本がないので新潮文庫『死の棘』を買う。この次は高円寺方面に出かけてみよう。
21日、家の備品類をスーパーで買い、家で食事をしてから羽田へ。6月はひっきりなしに飛行機に乗り、ボーっとしながら過ぎていく。飛行場で堺屋太一の初期の小説『団塊の世代』がリバイバル出版されていた。初読だがおもしろくてやめられなくなる。


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