んだんだ劇場2005年4月号 vol.76
No21  タイのトイレの話

家、その後
 一年のうちで一番暑い季節がやってきた。でも昨年よりはまだ涼しいような気がする。この調子では、今年もエアコンを買わずに終わってしまいそうだ。
 さて、家であるが、その後全く何も起こらない。家主からの連絡は全然ないし、誰も何も言いにこない。門のところに張られていた差し押え礼状(?)も雨でぬれてしまったりして、もう何が書いてあったのかわからなくなってしまった。
 そんなわけで、まだ同じ家に住んでいる。一応、引越しをしなければならなくなった時のために家探しもしたのだが、この調子では、このままあと数ヶ月住んでいてもよさそうである。なんだかとってもいい加減なのだが、私たちにはそのほうが都合がよいので、あまり深く追求しないことにした。
 さて3月はなんだかんだと忙しい月であった。
 チェンライ県とパヤオ県にそれぞれ泊まりで行く用事があったのに加え、リサーチに協力してもらう学校に許可をもらいに行ったり、長女のバレエの発表会に向けての準備があったりして(結局本人がいやがって出なかったのだが!)、あっちこっちと出かけているうちに終わってしまった。親につきあわされて、いつも車に乗せられていたかわいそうな次女は、今ではすっかり小麦色である。
 心配していたリサーチの許可であるが、幸いなことにどの学校からもすんなりもらうことができた。全部で5つの学校を訪問し、それぞれの校長先生にリサーチについて説明したのだが、どの学校でも、
「オーケー、オーケー、ノープロブレム!。」
とあっさり明るく許可してもらうことができたので、本当に感謝、感謝である。これで第一関門は突破!新学期の始まる5月半ばから、いよいよデータ収集を開始することになる。忙しくなるが、その前に日本に帰国してちょっと一休み。今回は実に8年ぶりに日本の桜を見る予定なのだ。楽しみ楽しみ。

トイレの話
 タイでは、基本的に大きい方を済ませた後、水を使っておしりを洗う。
 さすがに現在では、私も水でおしりを洗うことができるようになったが、初めてチャレンジしたのは、実にタイ在住1年以上たってからであった。
 まず第一に、手で洗うというのにちょっと抵抗があるではないか。自分の体の一部とはいっても、直接触るというのは、ちょっと、、、、という感じである。でも、やってみた外国人はみんな口をそろえて、
「気持ちいいよー!もう紙でなんて拭けないよ。」
というのだ。やはり、これは試してみる価値があるかも、、、と思った私は、そのころ同じ職場で働いていた仲良しの女性(タイ人)に聞いてみた。一体どのような手順で洗うのか、やはり前もって知っておく必要がある。
 彼女によると、まず手桶に水をくみ、それを片手に持って、おしりにむかってたらりたらりとかける。そして反対の手の中指と薬指で(!)おしりを洗うというのである。うーん、なるほどなるほど。
 勇気を持って、早速その日試してみた。水をたらりたらりとかけるのがちょっと難しい。でもえいっとかけながら洗ってみると、あら不思議。意外に簡単で、しかもすっきり!である。
 一度試してしまえばもう迷いはない。それから毎日練習した。
 そしてもう紙では拭けない体になってしまった。紙で拭くと、うーん、ほんとにきれいになったのかなあ、とちょっと気持ちが悪いのである。
 ところがその後、イギリスと中国に住むことになって、また紙の習慣に逆戻りしてしまった。そして休みのたびにタイに戻ってくると、
「うーん、どっちにしよう。紙?水?」
とちょっと迷ってしまうのである。
 今回は寒い時季にタイに帰ってきたので、冷たい水で洗うのにちょっと抵抗があり、未だ紙方式のままである。紙から水に替えるのには、やはり勇気と決断がいるのだ。
 いつ水方式に転換すべきか、現在検討中の私である。


無明舎Top ◆ んだんだ劇場目次