んだんだ劇場2006年2月号 vol.86

No1−ひたすら縮小をめざし−

はじめに

いろんな事情が重なりエアロビクスも東京へも昔のような頻度ではいけないようになってしまった。これまでの連載タイトルでは羊頭狗肉、誤解や不平を招きかねないのでタイトルを変え再スタートすることにした。
エアロのほうは2年前、過労から帯状疱疹になり、それ以来、自分の身体の疲労度を測る計器が狂ってしまい、いまだ怖くてスポーツクラブに足が向かない。もう20年近く続けている習慣なので復活の日も視野には入れているのだが、いまのところ夜の1万歩散歩とストレッチ・腹筋で運動不足には陥っていない。東京行きについては1年ほど前からうすうす頻度が落ちる予測はあった。これもエアロビ同様15年以上前から続いている習慣というか趣味のようなものだが、予想以上にデスクワークが忙しくなったこと、痴呆の進む義母との同居で時間的制約が厳しくなったこと、この2つが大きな理由で、行く頻度や日数が減り、後退を余儀なくされている。
デスクワークが忙しくなったのは社員が一人減り四人のギリギリ体制になったためだ。無明舎は自分の代で終わりにしたいと思っているので新しい社員を採る予定はない。ひたすら縮小経営をめざし最後は自分ひとりで後始末、可能ならば自分の死とともに消滅させるのが「夢」である。
だから年々自分の仕事は増えていく。
義母との同居も想定内だったが、老婆の存在が家族の精神状態や将来設計にこれほど大きな影響を与えるとは予想外だった。
仕事の環境も社員の高齢化とともに、いつ何が身に降りかかろうとも不思議はない状況にある。社員の事故や家族の不測の事態、健康への不安など、これからは何でもありのリスク・マネージメントの時代に突入したようである。


新年は大雪の中で

新年は大雪の中で迎えた。秋田市は88年ぶりの大雪で、なんとも憂鬱なお正月。痴呆症の進むひとり暮らし義母を大晦日に引き取り、日に3回の雪よせ、突然の「命綱」ともいえるストーブの故障、不機嫌なカミさん、押し黙る義母……落ち込んだまま暗い正月は過ぎていった。追い討ちをかけるように「仕事はじめ」の日に、「初荷」(これも死語だなあ)になる予定の本にミスを発見、刷り直し。なんにもいいことがない。
中旬には仙台、東京、郡山に出張。それぞれ著者候補の人たちと出版の最後の詰めをするためだが、この時期(大雪)の出張は「敵前逃亡」とみなされてもやむをえない行為だ。出張中もさすがに降雪情報が気になる。それでも東京では、友人のSさんが浅草演芸ホールに連れて行ってもらい、たっぷり落語を堪能、出版関係の友人たちとの新年会にも出てストレスはだいぶ軽減でした。雪がないというだけでこれだけ開放感があり、笑顔がこぼれ、未来に希望が持てるようになるのだから雪国のハンディというのは大きい。

帰秋すると、1月末に発送する「冬のDM」の準備に忙殺。下旬に入ってようやく雪は落ち着いてきたみたいだ。DMと同時に新聞の全3広告、梱包アルバイトの手配、2月の新刊の事務的な準備。HPの原稿や朝日の連載原稿は土日にまとめて書くのがこのところの定番だ。机に向かっている時間は長いのだが、何となくメリハリのない1ヶ月だった。


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