クーデター 9月20日の朝、友人から電話がかかってきた。「タイでクーデターが起きたらしいよ。学校も休みらしいよ。」とのこと。 クーデター???インターネットで見てみると確かにそうらしい。テレビをつけてみたらどのチャンネルでもみんな同じ映像が流れている。しばらくすると軍服を着た人の演説を流し始めた。 このクーデターは平和的なものなので心配しないように、とか、これに便乗した売り惜しみや値上げはしないように、とか、買いだめに走らないように、などの注意事項が流されたらしい。 チェンマイ市内があまりにも普通どおりなのでなんだかクーデターという実感がわかない。娘は学校が休みになったので大喜びである。 しばらくすると暇をもてあました近所の子どもたちが全員我が家に集まって遊び始めた。本当は論文を書かねばならないのだが、しようがない。子守のおばさんに早変わりして、けんかの制裁、昼ごはんにおやつの準備、と大忙しである。 さて次の日になると、今度は警備に当たっている軍隊に差し入れをしたり花を贈ったり、戦車と一緒に写真を撮ったりしている人々の映像が流れ始めた。やらせ?、と思うところだが、実際にチェンマイ市内でもそういう光景をあちこちでみかける。バンコクでの世論調査では8割が今回のクーデターを歓迎しているとか。 確かにこのところタイの政情はかなり不安定であったので、今回のクーデターで良いほうに転がるのではないかという見方が強いのであろうか。 それにしても、クーデターが起こっているというのに、まったく動じず冷静な人々。なぜか。これはやはりタイ国民が王様に寄せる絶大な信頼によるものではないだろうかと私は思っている。 なにしろ現在は軍事政権とはいっても、そのトップは王様である。この王様が国民を悪いようにするわけがない、とみんな思っているのだ。それは私も同じである。 クーデターからもう一週間。世の中はまったく正常である。なんとも不思議なクーデターであるが、今後どうなるのであろうか。10月中は日本とイギリスに一人で出かける予定なので、留守中に何かが起きて、タイに戻れなくなってしまったらどうしよう!とちょっと心配でもあるのだが。 シャンプー ささいなことから夫と口論になった。原因がなんだったのかもう思い出せない。しかしお互いに過去のことを持ち出し譲ろうとしない。そしてとうとう最後に夫がこういった。 「だいたい、シャンプーだってさ、どうして僕のは安いやつなの?」 彼はもともと風呂嫌い。髪だってそんなに構っていない。私が、 「髪洗った?」 と聞くと、 「うん。」 とはいうものの、実はシャンプーを使わずに水で濡らしておしまいにしていることも結構多い。 だから彼用にはスーパーで安いシャンプーを買っていたのだ。夫も特に何も言わずに使っていたので、私はすっかりそのことを忘れていた。 「へっ?だって髪洗うのだって嫌がってるじゃん。」 と私が言うと、 「ぼ、ぼくだって、結婚する前は○△□のシャンプー(結構高いシャンプー)使ってたのに、、、。」 と泣きそうな顔で悲しそうに言うのだ。 風呂に入るのを嫌がる奴の言うセリフかー!と喉まで出かかったが、それよりもなんだかおかしくて笑ってしまった。そしてなんだか不憫になって、次の日にご指定の○△□のシャンプーを買ってきたのであった。 結婚してシャンプーのレベルが下がったといわれちゃあ、女がすたるものねえ。 論文 10月末のロンドン行きに向けて、現在追い込みに入っている。今は集めたデータを分析してその結果を書いている。全部で11章の論文になる予定なのだが、今書いているのは第9章。 なーんだ、もう少しじゃん、と思われるかもしれないが、いやいやまだまだ。これから第1章から順番に見直し、手直し、書き直しをしなければならないのである。 ふと気がつくと、最後に第1章に手を入れたのは2004年の12月。おお、なんと月日の経つのは早いことか。あまりにも昔のことなので、自分で何を書いたのかさえ覚えていない。 それぞれの章がまたとっても長いので、自分で読むのも面倒くさい。はっきり言って最終的にこんなに長い論文を読むのは、本人と、それから指導教官と、そして最終口頭試問の試問官だけであろう。そしてその後論文ちゃんは大学の図書館(墓場?)にひっそりと眠ることになるわけである。なんか、とーっても無駄なことをしているような気もする。 でもいいのだ。とにかく終わってくれればよいのだ。 普段は子どもたちが学校に行っている午前中に書いて、そして夜、子どもたちを寝かしつけたあとに続きをやっている。とはいっても、夜はなかなか寝ない次女を寝かしつけていると、自分も眠くなってしまい、気づくと朝ということもしばしばだ。 でもさすがにこれからはそういうわけにはいかない。必勝ハチマキでも買ってきて気合をいれなくては! なんとしても今年中に最初の草稿をあげるのが目標なのである。がんばれ! |