波乱の幕開けです
年明け早々、自費出版の「新風舎」が、その2日後には「草思社」が民事再生申請を出しました。波乱の幕開けです。新風舎は昨年暮れから「倒産は時間の問題」といわれていましたし、業界の評価も極めて低い版元なので、驚きもほどほどですが、草思社の倒産はショックでした。
数年前、東京の街を歩いていて偶然に千駄ヶ谷で大きな7,8階建ての派手なファッションビルに「草思社」の看板を見つけたときは、何かの間違いだろう、と何度もビルの周りを歩きまわったほどです。わずか40名弱の小出版社には極めて不似合いなモダンな自社ビルで、草思社の出版物とイメージがうまく結べなかったの。創業者Kさんのもうひとつの職業であるアパレルメーカーが同居するファッション系ビルであることを聞き、納得したのですが、昨年暮れ、そのビルを売り払ったあたりから倒産説はささやかれ出しました。
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今年は書店の相次ぐ倒産に続いて、出版社の倒産ラッシュが懸念されています。出版はすでに斜陽から絶望産業に移行した、という人もいれば、本は残るだろうが職業としての編集者や産業としての出版は消えていくだろう、と予想する人もいます。
アメリカでは去年から、米アマゾンが「キンドル」というブックリーダー(読書端末)を発売し、好評のようです。これまでの読書端末と違い、コンテンツを携帯電話回線でアマゾンから購入できる仕組みで、接続料金もアマゾンの負担、コンテンツ料金だけを支払うようになっている。ほとんどの新刊本のダウンロードが10ドル以内、ニューヨークタイムスなどの新聞も2ドル以下で月刊定期購読ができるという。パソコンを使わず電話で直接コンテンツを取り込めること、1冊の本の購入料が安いこと、さらにアマゾンという強力なコンテンツ・プロバイダーの存在などから、これで一挙にペーバーレス化が進むのでは、と期待されているそうだ。いやはや、どこまでついて行けるのか、不安はいや増すばかりですが、老骨に鞭打って、今年もがんばります。よろしくご指導のほど、お願いします。
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