増刷と復刻と注文発送
このところ出す本の多くを増刷している。
喜ばしいことに違いないが、実はもともとの初版部数が極端に少なかったことによるもので、あまり喜んでばかりもいられない。増刷しただけ赤字になる、という本のケースも出てくるからだ。
だったらもっと初版部数を刷ればいいのに、と言われそうだが、これまでの販促の経験などから導き出した数字であり、そう簡単ではないのだ、これが。
結果は「部数をしぼりすぎ」で、けっきょくまた費用をかけ増刷することになり、初版で上げた利益を帳消しにしてしまうのだが、ホント部数決定は難しいんですよ。
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最近の出版傾向として「復刻」が多くなっているのが、大きな特徴だ。正確には復刻というより増刷なのだが、その多くが30年近く前に出した本なので、「増刷なのだが、実質的には復刻」のようなものである。時間がたちすぎているのだ。それと今昔の印刷事情も深く預かっている。印刷の技術革新と低コスト化がある。印刷代は昔と比べればずいぶん安くなった。そのせいもあって小部数でも気楽に復刻(増刷)が出来るようになったのだ。
この復刻(増刷)本は販促宣伝の上手下手で売れ行きが見事に影響を受ける。具体的に言うなら、宣伝材料(パンフ)のつくり方、がそのすべてといってもいいほどだ。なぜいま復刻(増刷)するのか、いわばその現代的な意味をしっかりとアピールする必要があるのだ。
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先週出した愛読者DMの返信注文が、今週から届きだした。
愛読者通信の返信のピークは最初の1週間、ここで全体の8割の注文が集中する。今週はその発送作業に忙殺されたわけだが、それぞれが抱えているルーチンワークもあり発送作業だけに集中できるわけはない。そんなこんなで大変な1週間だったが、これは「うれしい忙しさ」だ。疲れよりも「もっとこい忙しくなって」と祈りたくなる。昔はこの時期になるとアルバイトに来てもらったこともあったほど。わが舎にとっては読者と直接の結 びつきを実感できる貴重な時間でもある。
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