この秋の新刊ラインナップが固まった
この秋の新刊ラインアップがほぼ固まった。「読書の秋」はもう形骸化している、という人もいますが、本をつくっている立場から言わせてもらうと、やっぱり1年でいちばん本が動く季節、かきいれどきです。
だから張り切って、この時期に話題になりそうな新刊をぶつけようという気にもなるのです。新聞広告の出稿量も他の季節の2,3倍はかけますからも意気込みは違います。秋田の夜長は、やっぱり、読書ですよ。
8月中旬 伊藤孝博著『イザベラ・バード紀行――「日本奥地紀行」の謎を読む』(A5版上製・460頁・定価4410円)
大冊です。これ一冊でバードのすべてがわかります。彼女が歩いた明治初期の日本を、著者とうちの編集長が数カ月かけてくまなく踏破した記録でもあるいます。2段組みの4千円台の分厚い本ですが、原稿枚数1千枚を超す労作です。
8月下旬 伊藤孝博著『イザベラ・バードみちくさ道中記』(A5版並製ブックレット・110頁・定価1470円)
前記「紀行」のメイキング・ブックです。取材の舞台裏や人物、現在もバードを基軸に町おこしやイベント活動に従事するゆかりの人々と町を訪ねた「バードと現代」がテーマのブックレットです。
9月初旬 高島真著『天領・出羽長瀞村質地騒動顛末記』(46判並製・280頁・定価2100円)
徳川吉宗の時代、幕府の出した〈質流れ地禁止令〉をめぐって出羽村山郡の貧富層の葛藤と確執を史実に沿って描いた歴史ドキュメントです。山形市在住の郷土史家・高島さんの本はこれでわが舎から5冊目になります。
9月中旬 蒔田明史著『じゃんごは宝箱――秋田の自然と文化を考える』(46判並製本・200頁・予価1785円)
植物生態学が専門で文化庁の文化財調査官(天然記念物担当)をつとめた秋田県立大学生物資源学部教授が、地元紙に連載した「自然と文化」に関するコラムを1冊にまとめました。地元民にとっては当たり前にみえることも、視点を変えると貴重で稀有な宝物、ということを教えてくれる1冊です。
9月中旬 三戸学著『なぜ僕は結婚できないの』(46判並製・220頁・定価1680円)
生まれながらの脳性まひの中学教師が、自分自身が受けた差別体験、障がい者として見える現代社会、教師として、婚活中の若者として、喜怒哀楽たっぷりに社会と世間に異議あり。笑える、泣ける、勇気がわいてくる1冊。
9月中旬 ダースコ安田著『教師をやめて、ちんどん屋になった!』(46判並製・250頁・定価1785円)
長年勤めた中学の音楽教師を捨て、夫婦ともどもちんどん屋稼業に転身!
ちんどん屋の仕事、収入、日常から好きな映画や音楽まで、自由で面白くて切ない、ロマンあふれる脱サラ奮戦記。エンターテインメントも地産地消の時代ですよ。
とまあ、こんなラインナップです。いかがでしょうか。
早く秋が来ればいいですね。
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