傾斜があっても、雪は均等に降る積もる
1月26日 最近の土曜日は1週間分の原稿類をまとめて書く曜日。日曜日はほとんど山行で、やむなく原稿は土曜日になったわけだが常識的に考えたら土曜って休む日だよね。新し物好きなので、昔から週休2日制も舎内全面禁煙も、実施はかなり早かった。なのに、いつのまにか土曜日は「勝手に仕事の日」になった。休んでもやることがないからだ。電話も来ないし、郵便物や注文で仕事を中断することもない。来客はほとんどないし、CDやTVを大音響で流しても誰に迷惑もかけない。今日も一日中、ものすごい雪が降っている。車で外に出るのは危険、やっぱり事務所で仕事をしていよう。
1月27日 前夜からものすごい吹雪、雷、大雪。なんだか県内はすべての注意警報が出ているようだ。が日曜は山だ。断固として山には行く。まわりの仲間も、だれも中止を望んでいない。ヒマだからだ。今日は森吉山の恒例の樹氷ハイクだったが、さすがにこの吹雪ではゴンドラが運航中止だろう、と近場の男鹿・真山に変更。おまけにこちらは早起きのたたりか、集合時間の7時を8時に間違え、迎えに来てもらう始末。真山はけっこうハードな山で登りにびっしり2時間を要した。でもやっぱり山は楽しい。苦しいけれど楽しい。
1月28日 月並みな言い方だが「あっというまに月末」だ。支払いや入金がこの時期に集中するから、いやがおうにも緊張を強いられる。でもまあよくも40年近く不渡りだ、未払いだといった修羅場と無縁でやってこれたものだ。振り返って、けっこうきわどい綱渡りだった日々のことを思い起こすと、脇の下に冷たい汗が流れる。零細企業だから、なんとかやってこれたのだろう。調子に乗って、世の中にあおられて規模拡大なんかしていたら、とっくに消えていたのは間違いない。世の中バブリーな時はひっそりと、不況の時は大胆に、普通の時はごく自然に……というのは処世訓ではないが、まあこんな感じでやってきた。それがよかったのか問題があったのか、結論が出るのはもうしばらく先になりそうだ。
1月29日 シャチョー室の、これ見よがしに大きなテレビ台を5分の一以下のコンパクトなものに替えた。部屋がすっきりシンプルに。食器や何年も使っていない台所用品も大量に捨てた。膨大な本の9割は去年あるところに寄贈し整理した。執着のあるアウトドア用具も近じかリストラ敢行予定。今年中には倉庫一個分の事務書類や備品も処分するつもりだ。身の回りからできるだけモノをなくし、身軽になりたい。一番の敵である「贅肉」は文字通り自分の身体だろう。これも3か月前に始めたダイエットがいまだ継続中で、現在6キロ減。この贅肉撤去が一番うれしいかな。
1月30日 2階のデスクから近所の家々の屋根の雪をぼんやり眺めていると、突然ヘンなことに気がついた。屋根に積もっている雪の量が家々でまったく違うのだ。1m以上の家もあれば、明らかにその半分以下の家もある。近所の工務店のKさんにそのことを訊いてみると、意外な答えが返ってきた。雪は傾斜があってもなくても均等に降り積もる。軒先と屋根のてっぺんには同じ厚みの雪が積もる。むしろ平坦な屋根のほうが風で雪が飛ばされるぶん、雪は少なくなる傾向がある。さらに風向きや屋根の方角でも雪の量はだいぶ違う。さらにトリビアも。冬場に除雪依頼が多い職業は歯医者さんだそうだ。手先の器用さが命なので、手が疲れる除雪作業はご法度。除雪は専門家に頼むのが常識になっているのだそうだ。
1月31日 散歩の途中に秋田では珍しいモダンな造りの建設会社がある。建物の大きさからみて2,30人は働いていそうな、まるでデザイン事務所のような建物だ。今日の新聞に、その会社の倒産が報じられていた。従業員は9人。毎日のように走り回っている除雪車と雪運搬トラックには、近所の建設会社の名前が書かれている。この雪のおかげで景気がいいんだろうなと思っていた。ところが訊いてみると、昔は羽振りが良かったが、今は往時の10分の一の社員、持っていた不動産の多くを処分して、やりくりしているのだそうだ。火の車は外から見ても、燃えているのがわからない。
2月1日 年4回出している愛読者への通信(DM)を、今年から6回に増やすことにした。こんな時代だから経費節減で「減らす」ならわかるが、「増やす」って何それ? といわれそうだが、ま、いろいろ思惑あってのこと。経費増は厳しいが年6回はあくまで今年限定の措置。ある程度、読者の志向や傾向が把握できれば、来年にはまた元の年4回態勢に戻す予定だ。そんなわけでここ数日、今年最初のDM通信制作に没頭中だった。何であれ没頭できるって楽しいよね。
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