「秋田のことば」快進撃!

 ここ数週間、県内書店のベストワンを「秋田のことば」が独占しています。これだけのボリューム、内容なのに二八〇〇円という安さで、売れない方がおかしいのですが、読者の方々からは「どうしてこんなに安いのか?」という問い合わせも来ています。これは秋田県が数千万円の調査取材費をつかってソフトを作り、その印刷製本業務をうちに委託した、という形を取ったものだからです。要するに税金で作られた本なのです。といってもこの本をこれだけの廉価で出すのは小舎の独断によるものです。広辞苑以上のボリュームのある本を岩波よりも安く定価設定して売るというのは、ある面で版元の夢でもあります。安くできるというのは部数を沢山刷れると同義なのですが、今回はそうではなく税金で制作費コストが安く抑えられたために出来た価格なのです。地方出版の本は高い、といわれ続けてきた、その罪滅ぼしのような気持ちもあります。買って下さい。

2000年12月19日読売新聞編集手帳

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