●関西の出版人たち
 先日、友人の川口正さんが大阪の編集工房ノアから『本と人を糧に』という本を出した。その出版パーティが大阪であり、のこのこと出かけてきた。ずいぶん遠方からと、皆さん驚いていたが、実は川口さんのお祝いのほかに目的があったのだ。その目的というのは、昔から注目していた関西の何人かの出版人の方々と、この機会にお目にかかることができそうだったからである。パーティは川口さんのお人柄と誠実な仕事ぶりを反映して盛会だった。お目当ての出版人の方も予想通りほとんど顔を揃えておられて、大阪まで出かけて大正解だった。パーティの主催者である編集工房ノアの涸沢さんはもちろん、京都のかもがわ出版の湯浅会長、東方出版の今東社長にまでお会いすることができた。なかなかこれだけの人たちとスケジュール調整をしてお会いするというのは至難の業なのだが、こうしたパーティの機会を巧く利用すれば1回の大阪行きで「みんなと一挙に顔あわせ」できるのだから安上がりである。私見で恐縮だが、東京以外の出版でかなわないなあ、と思っているのは福岡と関西の版元ぐらいである。「かなわない」というよりも「勉強になる」といったほうが近いかもしれないが、関西の出版のレベルは世間で思われているよりはずっと高い。川口さんの本もそのことを証明している。

川口さんの新刊


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