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4月はじめの「暴走低気圧」(うまいねネーミングが)は当地で風速40メートル。「3・11後」ということもあるのだろうが、本当に怖かった。屋根が吹き飛ばされそうな不安と、近くの大学病院を走り回るサイレン音で、眠られぬ一夜を過ごした。 その日から3日後の深夜、寝ていたら音のない雷のような大きな閃光が2回。外を見ると寝室横の電線から火花が散っていた。怖くなって119番へ通報。 5分後、サイレンを鳴らして消防車からパトカー、新聞記者までかけつけた。 それから2時間半、簡単な消火作業と東北電力による電線張り替え作業が終わるまで、震えながら外に立ち続けるはめになった。「暴走低気圧」の影響で、飛ばされてきた塩が電線についてショートした「電線塩害」である。 人生初の119番通報だったが、こんな形で来るとは予想だにしていなかった。 ま、なんとなく初体験を済ませたようでホッとしたのも事実。 てっきり誤報だと思ってしまった。 近年、同じ八幡平ではシカの目撃情報があいついでいる。秋田県に野生のシカはいない。岩手県側から越境してきたものだろう。ちなみにカモシカはシカではない。ウシ科ヒツジ・ヤギ類の動物である。さらに今年2月、秋田県南部でイノシシが見つかり、射殺された。これも衝撃的だった。イノシシも秋田にはいない。地球温暖化の影響で動物が北進化しているのだそうだ。 聴くたびに新しい発見があるのも落語のすごさだ。 1年で一番いい時節なのだが、体調はいま一つ。春先からずっと歯痛に悩まされた。虫歯の治療に行き、神経を抜くために打った麻酔で化膿し、腫れてしまった。 4月は眼。散歩中、突然吐き気がして道端でゲーゲー。眼鏡の焦点が合わない違和感からきたもの。どうやら大画面のテレビを近距離から見すぎたせいのようだ。いい大人が、ちょっと恥ずかしい。 |
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×月×日 大阪―札幌間4780円という格安航空券のニュースを見るたび、心穏やかならざる心境に。なんとも心底うらやましい。だって秋田―札幌間は片道2万5千円、信じられる? ×月×日 国や出版業界が大きなお金の動くプロジェクトを発表する。田舎の版元には縁がないから聞き流す。数日後、地元企業や県から「御社の話を聞きたい」というオファー。面倒くせぇいな、と思いつつ対応。その後で決まって気がつく。先のプロジェクトと後のオファーは連動しているのだ。鈍いぞ、ジブン。 ×月×日 すっかり春めいてきた。掛け布団が一枚少なくなり、下着も長袖から半そでに。ゴミ捨ては重装備で行かずとも済み、雪かきもなし。空は晴れ上がり、屋根からひっきりなしに雪が落ちてくる。 ×月×日 歯痛で苦しんだ1週間。右奥歯に鈍痛があり、神経を抜いた。それはいいのだが麻酔を打った歯ぐきや右ほほが翌日から化膿し腫れてきた。歯痛よりもそっちで苦しんだのだから、なんだか釈然としないなァ。 ×月×日 歯痛の痛め止めをもらってきて服んでいる。服むと痛みは止まるが7、8時間たつとモーレツにまた痛みだす。10年ほど前、歯の治療中に菌が肺に転移、あっさり死んでしまった友人のことを思い出した。 ×月×日 朝起きたら一面の銀世界。 また冬に戻ってしまった。あの日からちょうど1年目だ。大声を出さぬよう、静かに、ひっそりと、ただ被災地を忘れないこと。これしかできることがない。 ×月×日 山に登っている間に歯痛はピタリと止まった。歯痛が止まるととたんに酒を飲みたくなった。山行後そのままシャチョー室宴会。このところ酒肴はもっぱらナポリサラミ、すっかりはまっているが、塩分がおもいっきり強い。 ×月×日 いつも出版点数のばらつきを嘆いているが、ここ半年ぐらいは月2本ペースで順調に推移している。月2本の新刊と増刷が1本、といったあたりが零細出版社の理想型かも。 そううまくはいかないけどね。 ×月×日 不謹慎かもしれないが、スペインやポルトガルの財政危機が報じられるたび、心のどこかで同情を拒む自分がいる。彼らが大航海時代におこなった殺戮や略奪のすさまじさは常人の理解を超える。そうした傷跡を南米などで実際に見てきた身には、旧宗主国ポルトガルがブラジルに大量の移民を送りはじめている、という21世紀のコペルニクス的な現実に、喝采を送りたい気持になってしまう。 ×月×日 週1回は近所のスーパーに買い物に。そのたびにレジの遅さにイライラする。本屋やレンタルビデオ屋でも常にイライラ。近所のレンタル屋はレジがいっぱいあるのに、いまだに「フォーク並び」をしていない。領収書を書いてもらうと「出版」の「版」の字が書けない店員に殺意……大きく深呼吸でもするか。 ×月×日 昨年末にハイブリッドの新車。が、雪のためほとんど乗られない。ようやく春の風をきって走らせているのだが、すこぶる軽快だ。 ×月×日 年に一度、友人と2人で県南の浅舞にある酒蔵にお邪魔する。できたばかりの自慢の酒を試飲させていただき、杜氏自らつくる数々の酒粕料理に舌鼓を打つ。なんともぜいたくで至福のひとときだ。うらやましいでしょ。 ×月×日 15日から毎日のように打ち続けた新聞広告も今日の岩手日報の一面全3段で一段落。つくづく出版は博打だ。売れるかどうか何の保証もない本にウン十万円ものお金をかけて、マクドナルドのハンバーガーのように「買う」。もしかして宝くじのほうがよほど効率いいのでは、という疑念も浮かんでくる今日この頃だ。パチンコもやってみようかな。 ×月×日 週2回の冬のゴミ出しはつらい。今日は雨。2個のゴミ袋に傘、手袋も必需品。無事に出し終え出舎。なぜか自分の部屋のゴミを入れた手提げ袋を手に持っている。この袋には本来ペットボトルと読み終えた文庫本と電子辞書がはいっているはず……しまった、捨てる袋をまちがえた。 ×月×日 雪が消えたので夜の散歩コースを「駅往復」から定番の「まっくら田圃コース」に戻した。人とすれ違うこともないし、車も通らないし、風景が見えないのが、なによりもいい。目に見えたもので思考を邪魔されない。 ×月×日 木金と休みをとって安比高原に春スキー。初日は快晴で、生まれて初めて大きなゲレンデにコーフンしながら、おもいっきり滑り倒してきた。 ×月×日 散歩の途中、アウトドア用の度付きメガネ(くもり止め加工)と春のジャケットを衝動買いする。 ×月×日 iPodにいれた落語をまた聴きだした。寝る前に布団の中で聴くのだが久しぶりに声を出して大笑してしまった。一人、寝室で笑い転げるなんて久しぶりの体験だなァ。 ×月×日 暴走低気圧があばれまわった。こわかった。風速40メートルの嵐って、わが生涯最大の経験かな。稲妻の頻度もすさまじく、まったく眠られない。朝になってもまだ不気味な嵐は吹き続けた。 ×月×日 「全訳 遠野物語」の増刷ができてきた。これが売れ残るとせっかくの増刷も逆に大きなリスクに早変わりしてしまう。 増刷はうれしさも半分春の風。 ×月×日 煙草は30年前にやめた。人並みに「何度も禁煙体験」はしたが、最終的にやめられたコツは「最初の1本を吸わない」と決めたこと。このコツは結構気に入って吹聴しているのだが、昨日読んだ本の中に、あの医師にして歌人の斎藤茂吉が「火のついた煙草は口にしない」という簡単な方法で禁煙に成功した逸話が紹介されていた。 これは山村修『禁煙の愉しみ』という本に書いてあったこと。山村の本は大好きだ。 ×月×日 昨夜11時半ごろ、事件があって人生で初めての119番。先日の暴走低気圧の影響で塩が電線についてショートしているのだそうだ。「電線塩害」である。全国各地で起きている現象ときいて少し安心したが、身近のいろんなところが老朽化している。まだまだヘンな事件が身辺に起きそうな、悪い予感もする。それにしてもこんなことで119番とは。なんだかまだドキドキしている。 ×月×日 筋肉痛がひどい。2階への階段が遠い。先日の本格的な太平山・中岳登山のせいだ。 ×月×日 雲ひとつない快晴。朝から意味なくウキウキするのは天気のせい。昨日、郊外にあるY電気へたまたま行きipadを衝動買い。この頃なんとなく衝動買いが多い。 ×月×日 万年筆はよく使う。手紙だけでなく手帳のメモも万年筆。なんとなく他の筆記用具より好きなのだが、手が汚れるという欠点がある。正直なところもう万年筆はやめようと思っているが、そうなると手紙はどうしよう。 ×月×日 昨日は太平山リベンジ登山。先週、中岳でバテたのが悔しかったので前岳までもう一度チャレンジ。筋肉痛はなし、よしよし。今日は「山の学校」始業式。夜はモモヒキーズの居酒屋宴会(シャチョー室宴会ではない)。ipodにいれた落語聴くのが毎日の愉しみで、散歩は欠かせない。 ×月×日 秋田大学入試課から、教育文化学部の今年度の入試問題にうちの本を使った旨の郵便物。もっと早く教えてよ、と思ったが、それじゃ事前に入試問題がバレてしまうか。引用されたのは『秋田県民は本当に〈ええふりこぎ〉か?』(日高水穂)。3、4年前は歩青至著『少年』が複数の全国の高校入試や教科書に採用されたことがあった。自舎の出版物が使われるのは光栄だし、ありがたいことだと思うが、入試の性格上、無断でかつ著作権使用料もゼロ。こうした引用の常連である谷川俊太郎や人気作家らが入試問題にも印税や謝礼を支払うべきだ、と訴えを起こしたこともあった。あの問題はどうなったんだろう。 ×月×日 昨日の朝日新聞に、テレビ朝日系の番組「ちい散歩」が終了になることを惜しんだ署名記事。6年間で2千キロ、テレビ番組で下町を歩いた地井武男を「現代の宮本常一かもしれない」といい、彼を「忘れられた日本人」とまで持ち上げている。地井武男に罪はない。が、記者氏、この2人の「比較」はちょっとまずいかな、とは思わなかったのだろうか。「ちい散歩」は何度か観たことがある。目線の低さには確かに好感がもてた。でも、その俳優の仕事と、生涯かけて地球4周分を歩き、すさまじい執念で膨大な記録に残した民俗学者を、同じ土俵に並べるのはいかがなものか。 ×月×日 朝っぱらから仕事場でレンジャーズ対ヤンキース戦。黒田対ダルビッシュの直接対決だ。その前の、ローマの教会のだまし絵の番組もずっと家で観てしまったから、テレビ漬けである。 ×月×日 午前中はいつもNHKのFMラジオを聴きながら仕事をする。曜日毎の番組は頭に入っている。が、この4月の番組改編で大幅にというか、全面的に番組が変わってしまった。クラシックからポップスに軸足を移し、益体もない「おしゃべり系番組」が多くなった。「ながら族」としては音楽はともかく耳障りな「おしゃべり」は邪魔でしょうがない。 ×月×日 ここにきてGWの予定を何も立てていないことに焦りだした。仕事があるので油断していたのだが、どうやら前半で仕事は片付きそう。ま、どうにかなるか。 |
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*この仕事をはじめた40年前から、GWは鬼門。なぜかこの時期になると深く落ち込んでしまいます。
*この10年ほどで、そうした「5月病」は消えましたが、今も長いお休みというのが、あまりうれしいものでないのは確かです。もう還暦を過ぎたのですから、「忙し病」は卒業したいのですが、こればっかしはうまくいきません。 *就職しない生き方を選んだものの宿命ですね。(あ) | ![]() |
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