2025/11/18
 東北を中心に熊被害がすごい勢いです。かつて、女性の猟師が話題になり、テレビのドキュメンタリーや漫画にもなりましたが、イノシシや鹿を撃つのと、熊撃ちは別物だと言います。その危険度は計り知れないと言います。秋田大医学部のホームページで公開されている、熊に襲われた患者さんの写真や傷の様子は見るに堪えません。確かに、柿の木や栗の木をよじのぼるだけの爪の鋭さや力があるのですから。昔、熊の爪のキーホールダーを北海道の版元さんからいただいたきました。改めて見ると、これで顔を襲われたら、堪らないと認識しました。警官にしろ自衛官にしろ、短銃ではなくてライフルが必要、それも銃弾が強力なものでないと効き目がないようです。この熊の市街地出没も、神奈川の山北町の住民によれば、山林や里山などの地域インフラの劣化で、人の生活圏と野生の生活圏の区別があいまいになりつつあることも一因のようです。また、戦後の森林行政によるドングリなどの広葉樹林の減少も野生生物の食べ物不足を招いているとのことです。先日ラジオで流れていたのですが、千葉の南房総市だけで、半年で2800頭の「猪」が捕獲されるそうです。千葉のほんの一部でこの数ですから、野生鳥獣の被害のすごさに驚きます。

●沖縄独特のしきたり「位牌継承の未来」について考えます。それにはこんな意味があつたのだ。波平エリ子著「新装改訂版 トートーメーの民俗学講座」2,000円 ボーダーインクは、沖縄独特の「父系血縁集団」(門中)について。御獄、一番座、西と東、ムートゥヤー、トートメー、ググソーニービチ、預り位牌って分かりますか?ISBN978-4-89982-493-0

●6・7世紀の山陰に点在した古墳から出土した、装身具、武具、馬具、土器から馬具を研究します。島根県立八雲立つ風土記の丘編集・発行「山陰の飾騎(かざりうま)」1,300円 ハーベスト出版発売は、「額田部臣」で有名になった岡田山古墳をはじめとする、島根県西部、東は兵庫県北部と、律令制下における「五幾七道」、本来の定義で「山陰」から出土した古墳時代の馬具や飾り太刀を中心に紹介します。ISBN978-4-86456-569-1

●「越中強盗、加賀物乞い、越前詐欺」という比喩が北陸3県の特徴として語られる。「加賀百万石の伝統を背におっとりした石川、加賀の支配下から分立した富山藩の勤倹節約主義を引き継いで抜け目のなさと行動力に富んだ富山、関西に近く、勤勉な「越前女」の働きもあって儲けに聡い福井だという。その富山の近世、近代の実像を描きます。栗三直隆著「富山の近世・近代−富山藩を中心に」4,000円 桂書房は、富山藩前田家の儀礼と交際、富山藩の財政欠陥とその弥縫策、幕末維新期における富山藩政の動向、越中近代のアジア意識など、多様な側面を描きます。ISBN978-4-86627-167-5

●九州・福岡の石風社刊「虹を見たかい」1,300円は、虹は龍の仮身らしいというテーマで画家・黒田征太郎が虹の絵を描き、それにふくもとまんじが、<虹を見たかい 雨とお日さまがつくる 虹を見たかい ひとがうまれる ずっとまえから 雨とお日さまがつくる虹を見たかい>という具合に、詩を伏した絵本画集。ISBN978-4-88344-335-2

●IBC岩手放送のラジオの朗読で好評の童話の活字化。藤原成子・作、川又太智・絵「破れた太鼓」1,300円 盛岡出版コミュニティーは、太鼓を破ってしまったカイとコー太が、夜が苦手な雷の鬼たちに助けられるお話しです。ISBN978-4-904870-66-2

●怪しくも不可思議な世界「花咲町」へようこそ!珠玉のショートストリー39編が、最後の1編につながる不思議な本。目代 雄一著「神様のリセット」1,500円 書肆侃侃房は、にやり、ゾクッ、ほっこりとする、ハイブリッドな展開を堪能できる短編集。ISBN978-4-86385-702-5

●青森、秋田側で異なる不自然な形が30年以上続く「入山問題」をジャーナリストがその原点を探り、わかりやすく解説し、その改善策までを提言する。佐藤昌明著「なぜ白神に登れないのか?」1,600円 無明舎出版は、世界自然遺産に指定された、森林保護活動の不条理な側面を暴くルポルタージュ。ISBN978-4-89544-700-3

●死後その偉業を認められた南島の画家・田中一村。荒井曜著「田中一村 流鏑の画家」1,800円 南方新社は、著者の小説家としてのデビュー作<田中一村 かそけき光の彼方>に続く、二部作。、一村の姉・喜美子と過ごした千葉での葛藤の日々を描き出します。ISBN978-4-86124-540-4


Topへ