中国江西省で1999年から3年余、さらに中国山東省青島で2007年から4年半の駐在員生活を体験、いつかシルクロードをバイクで走りたいと中国の運転免許を取得したダンナ(菅井普三)と、駐在先に押しかけてはバックシートに陣取って気ままに手綱をふるう主婦(菅井直子)の二人。中国の田舎を見て食べて走った日々を女性の視線で記録しようと、主婦の見たもの感じたものをダンナがまとめるという共同作業。その結果、著者名は菅井二人に。
No20
いつかシルクロードをバイクで走りたいと中国の運転免許を取得した駐在員のダンナ。駐在先に妻を呼んでは二人でバイクにまたがり風になる。その様はまさにフタコブラクダ。中国の田舎を見て食べて走った、普段着の中国の記録。



山東省海側ツーリング3
2010年10月3日:龍口市→烟台市
予定走行距離110Km 、予定走行時間 3.3時間



 烟台市に入ると、ビルや高速道路が入り組んで、どこが町の中心か、どの道が中心に向うのかわからない。省道264号で市街区に入ったのに、なぜか高速道路に入り込みそうになり、後ろから車が来ないのを良いことに、逆行して戻った。「烟台(イェンタイ)市」は4区7市1県を含めた地級市で、面積1.37Km2は福島県とほぼ同じくらいの広さを持つ。人口は651万人で、福島県が203万人だから3.2倍、本当に中国の町は人口がやたら多い。
 市街区は海沿いにだらだらと長く、ホテルの有りそうなのはどの辺かわかりにくい。市街に入った頃からポツポツ雨が降りだし、そのうちドッと降ってきた。上は寒さ除けに雨具を着ていたから良いけれど、雨具のズボンまでは穿いてないので、下はずぶ濡れになってしまった。
 やっとこじんまりしたホテルが見付かったので飛び込んだ。部屋に入って着替えてやっと人心地がつく。紐を張って濡れたジーンズを吊るし、さてどっか外へ食べに行こうと出口まで来たけれど、強い雨で外に出られない。5時前と言うのに外は土砂降りの雨で、夜のように暗くなっている。
 ホテルのフロントで、観光する見込みも無いのに、「烟台交通観光地図」を買った。4元を払いながらダンナがクスクス笑っている。何よ、思い出し笑いなんかして、と言ったら「4元で思い出した、一度だけ観光地図を値切ったことがあるんだ…」。
 中国では言われた値段で買うのはバカと言われるほど、値切るのが当たり前。ダンナがみやげ物を買うのを見て、仲間から叱られたそうだ。
「ダメだよ、言われた値段ですぐ買って。財布を出しながら値段を聞くなんて、買いたいのが見え見え、値段なんか引いてくれないよ。100元と言われたら、まず40元と切返す、うまくゆかなければ一旦買わずに店を出る…」
 ダンナはすぐその気になるから、頑張るぞ!とちょうど、観光地図を立ち売りに来た兄ちゃんに「いくらだ?」と聞いたらしい。ところが「10元」と言うから怒った。実は売店で5元以下と知っていた、倍以上で売付けるなんて「何でこんなに高いんだ!」って、真剣に怒鳴ったそう。
「兄ちゃん目をパチクリして、何でこんなに怒るんだ?という顔をして『…3元でいい』と言うんだ。10元がいきなり3元になって気がついた。10元じゃなくて4元と相手は言ってたんだ。中国語で10はシー、4はスーと発音する、似てるんだよな。気が付いたけどもう仕方がない。よしわかったと言って買ったけれど、可哀想な事をした…」。
 小さなホテルだから食べる所なんか無いだろうと思いながらも聞いてみると、奥の方にちゃんとしたレストランがある。ダンナが食材の所に行き何か頼んできてニヤニヤしていたら、なんと私の大好きなシャコが山盛り出てきた。茹でたてのシャコを夢中になって食べて、「あれ!写真撮った?」「忘れた、またやってしまった」。もうガツガツしているから出てくるとすぐかぶりついてしまう。少し人心地がついてから、残り少ないシャコの写真を撮る。それにしても大きくて美味しいシャコだった。

烟台のホテルで食べたシャコ
 あと頼んだのは「家常(ジャーチャン、家庭)料理」のキノコと豆腐の鍋、日本的な醤油味だった。あとナスの天ぷら青唐辛子かけ(とんでもなく辛い)。中国の一般的なレストランでは、1皿3〜4人前くらいのボリュームで作る。2人で行くと最低2種類の料理を頼み、スープや麺、包子などの食事を取ると、半分以上残すことになる。店によっては小皿にしてくれと頼むと、ちょっと小振りにしてくれる所もある。

烟台のホテルの家庭料理
 食事が終わっても雨で外に出る気も起きない、部屋のテレビをつけるとニュースをやっている。国家主席さんが外国の賓客と会見しているのが映っているので、「こんな偉い人がテレビに出るの?」と聞いたら、「必ず出る、毎日出る、毎時間出る…」と言い出す。
 会社の若い人が、「中国ではニュースは三つに分かれている、第一に党の偉い人達がいかに一掃懸命働いているか。第二は世界の他の国の人達はいかに不幸か。第三は中国の人民はいかに幸せであるか」。ちょっと皮肉っぽく言っていた。
 言われてみると見事にこのパターンになっている。国家主席さんは昨日は外国に賓客とお話なさっていたかと思うと、今日は災害地の人達を親しく見舞って励ましている。次に出てくるのは世界の他の国で発生している、洪水や戦争や飢饉などで苦しむ人達。最後は次々と改革を進めて豊かになってゆく「人民」のニュースやインタビューが続く。
 これでもし大統領選挙でもやったら、国家主席が、断然1位で当選するのは間違いない。日本の首相が毎時のテレビニュースに、トップで出てくる事はないし、何か悪いことでもしないと取上げてくれない。
 これは中央だけでなくて、地方局のニュースもそうらしい。青島テレビは市長や書記長がいろんな工場や、農家に行っては工員や農民の皆さんと、お話なさっているのがトップニュースになる。日本じゃ首相が今どこで何をやっているかほとんど分からないし、まして仙台市長が何をしているかなんて、全然分らないわね。日本はあげ足をとったり、非難する時だけ取上げているみたい。これってどっちが良いのかしらね…。
 2日目も妖怪アメフラシの威力が発揮された日でした。
 記 録:2010年10月03日
走行距離 130Km 、走行時間 4時間、平均時速 32.5Km/h、延べ 413Km
  (計画 : 走行距離110Km 、走行時間 3.3時間、平均時速 33Km/h)
ガソリン給油 1回 20元( 260円 )、万華賓館200元(2,600円)
昼食:洋食:168元(2,184円)、蓬莱閣入場料:120元×2人(3,120円)
果物:リンゴ2、ナシ1、ザクロ1、ブドウ液1、55元(715円)
夕食:3菜、ビール2本、54元(702円)



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