127. 2021年4月30日 鳥海山
 毎年恒例、鳥海山五合目にある稲倉山荘に本を納品しに行ってきた。快晴で高速も空いおり、快適なドライブを満喫していたのだが、鳥海ブルーラインの入口に着くと、同じく納品しにきた他の業者の車が何台も停まっている。ブルーラインのゲートは閉じたままで、皆立ち往生している様子だ。話を聞くと、山荘の手前の道路(標高約1000メートル付近)が200メートルほどツルツルに凍っていて車が登っていけないらしい。緊急で除雪車が出動し、氷の除去作業を行っているため、1時間くらいここで待機してほしいとのことだった。さすが鳥海山、一筋縄ではいかない。1時間程してゲートが開き、皆慎重に運転しながらブルーラインを登り始めた。下界はすっかり春だというのに山はまだ冬だ。500メートルも登ると車の温度計が0℃になった。少しスリップしながらも無事に山荘に到着し、作業は滞りなく終わった。そして帰ろうと車をだしたそのとき、先程まで氷の除雪作業をしていた作業員が近寄ってきて、しばらく下山はできないと言う。今度は道路の両脇にそびえる雪壁(ブルーラインの名物)の一部が崩れてしまい、慌てて除雪作業をしているところだという。やはり鳥海山、一筋縄ではいかない。この除雪作業が1時間半ほどかかり、ようやく下山許可が下りた。
 帰路は先程までの真冬の山とはうってかわって快晴の春盛り。なんだか狐につままれたような一日だった。
(M)