13. 2016年2月12日   返品
 書店から、「返品を了解して欲しい」という連絡がよく来る。本来、返品は取次店経由で出版社に送られてくるが、返品できる時期を過ぎた本は取次店が返品了解しないため、直接出版社に了解を求めてくる。ここで、了解してしまうと、何十年も前の、表紙が汚れていたり、帯がなくなっていたり、日に焼けたりと、ボロボロになった本が返ってくる。それらの本は結局こちらで処分するしかなく、これには頭にくる。最近の出版業界の返本率は年35〜40%と言われており、かなりの負担になっている。
 しかし、この返本の中には、既に絶版になっていて、こちらにも一冊も在庫がないという貴重な本も含まれていることがある。こういう本は多少状態が悪くても欲しいという読者がいるので、こちらとしても助かるのだ。こちらの欲しい本だけ、返品了解しますともいえないので、この返品対応は結構難しい。基本的には「取次店の了解を得てください」といって断るケースが多い。
 ちなみに、岩波書店など一部出版社は買切である為に返本は出来ない。
(M)