146. 2021年9月16日
 うちの畑の土は粘土質で赤みがかり、野菜を育てるのには向いていないと思っていた。しかし、先日、畑をやっているベテランの知人を畑に招待したところ、「これは、すごく良い土。持って帰りたいから少し分けてくれないか」とまで言われた。うまく育たない野菜があると、原因は土がよくないからと結論づけていたため、面食らってしまった。土改善のため、化学肥料を何種類か購入していたが、肥料も撒く必要はないと言われた。
 その知人の話で面白かったのが、畑を始めたてのころ、うまくトマトが作れず、大量の化学肥料を土にまぜた。すると、トマトは大きく成長し、とても甘いトマトができた。そこで、キュウリにも同様の肥料を与えたところ、これまた大きなキュウリができた。これを食べてみると、みずみずしくてとても甘かった。一見、大成功したように思えるが、そこでふと気付いた。「この甘さ、トマトと同じ甘さ」だと。結局は肥料の味になってしまったらしい。なんだか気持ち悪くなって、それ以降、有機栽培にかえたという。
 時間をかけて土をつくっていくことが畑をやるのに一番大事だと言う。その上で、うちの畑の土は最高だと言うのだから、枝豆やニンニクが失敗したのは、土ではなく、なにか他に原因があるにちがいない。
(M)