長いことスポーツジムに通っているが、浴室にある「サウナ」を利用したことがなかった。というか、これまでほとんどサウナに入ったことがない。苦手なわけではないが、ただなんとなく、自分には必要のないものだと思って生きてきた。それが先日、ジムでのトレーニングを終えたあと、これも特に理由はないが、ふらっとサウナに入ってみた。五分ほどで限界を迎え、隣に併設してある水風呂に飛び込んだ。これで一気にハマってしまった。水風呂に入った時のえも言われぬ爽快感はこれまで味わったことのないものだった。その日から毎日サウナに入るようになった。ちょっと体がだるくてトレーニングをサボりたい時でもサウナにだけ入りに行くようになった。
　そんなサウナでよく使われるのが「整う」という言葉だ。サウナ好きの人はだいたい5分〜10分サウナに入り、水風呂に1分程度つかる。これをだいたい3セット繰り返す。そうして、心身ともにすっきりした状態のことを「整う」と表現する。「さっぱりした」や「気持ちいい」とは言わず「整った」と言う。普段、日常会話で「整う」なんて言葉はほぼ使うことがないが、サウナー（サウナ好きな人たちの総称）は毎日使う。いつから「整う」なんて言い始めたかは知らないが、これはわりとセンスのある表現ではないだろうか。
　さて、それでは今日も整えに行ってきます。