168. 2022年2月11日 文房具屋
 小さい頃から文房具屋が好きだった。なにを買うわけでもなく、店内をうろうろしているだけで楽しかった記憶がある。家から少し離れたところによく行く文房具屋があった。30年以上続いている老舗だ。昨年からその文房具屋の辺りの再開発が始まり、その文房具屋も取り壊された。取り壊しの現場に遭遇したときは複雑な気持だった。その場所は一年後、ウッド調のおしゃれなカフェができた。と思っていた。先日、せっかくだしそのカフェに入ってみるかと店の前に立ったら、英字であの文房具の名前が書かれていた。よくみると、おしゃれなカフェではなく、リニューアルしたあの文房具屋だった。以前の店とのギャップがありすぎて、そこが同じ店だとは思わなかった。本屋同様、街から文房具屋が消えていく昨今、心温まる出来事だった。
(M)