183. 2022年5月17日 自由研究
 今年も事務所の自転車置き場の屋根にアシナガバチが巣を作りにやってきた。これまで、クマバチは毎年巣を作りにきていたが、去年からアシナガバチも来るようになった。縄張り争いがあるのだろうか、今年、クマバチは姿を見せていない。
 アシナガバチは単体で巣を作る。スズメバチの巣と違い、幼虫をそだてる穴が外に露出しており、ハスの実のような形をしている。巣はゴルフボールくらいの大きさだ。性格はおとなしく、巣を直接攻撃しない限り人を刺すことはない。特に害はないので、駆除せず観察することにした。
 朝は9時ころまで寝ている。昼間はせっせと働き、夕方5時くらいにはもう寝ている。とても規則正しい。たまに別のハチがやってきて、巣を守るため、追い払おうと必死に闘っている。当初、私が近づいて観察していると、向こうも動きを止めじっとこちらを睨んでいた。しかし最近は私のことを認識しているのか、観察していても「またお前か」くらいの態度で、こちらには見向きもせずあくせく働いている。数年前、一番最初にこの自転車置き場にクマバチが巣を作り始めたときは大慌てで駆除しようとしたが、毎年やってくる彼等に親近感のようなものをおぼえ、ハチの生態について少しずつ調べるようになった。これまで漠然と抱いていた「ハチは危険」と言うイメージは払拭された。もちろん危険な種類もいるが、それはごくわずかだ。まるで小学生の夏休みの自由研究みたいだが、これがけっこう面白い。
(M)