290. 2024年7月19日相性
 どうしても読みきれない本がある。3年前に購入した、英国の音楽史に関する本だ。興味のあるテーマで、文章も難しいわけではない。しかし、読み始めるととたんに眠くなってしまう。購入してから半年ほど、バッグの中にいれていたら、同じバッグに入れていたペットボトルの蓋が外れ、読めないほど濡れてしまい、泣く泣く捨てた。先日、同じ本を中古で発見した。中途半端に読んだままだったのがなんとなく嫌だったので、思い切って買うことにした。内容もあまり覚えていなかったため、もう一度最初から読むことに。内容は面白いのだが、やはり頭に入ってこない。なぜこんなに相性が悪いのだろうとおもいながらも、毎日数ページずつゆっくり読み進めていたある日、その本をバッグに入れ散歩に出かけた。歩きはじめて1時間ほどしたとき、それまで晴天だったのだが、突然のスコールにみまわれた。家に着くころにはびしょ濡れで、もちろんその本も濡れてボロボロになっていた。奇しくも2冊目も同じ結末をむかえたわけだ。これはもう諦めるしかない。よほど私とその本の相性が悪いのだろう。なんとも皮肉な出来事だが、長く本を読んでいるとこういうこともある。
(M)