291. 2024年7月27日変化
 秋田にいると、インバウンドというものを肌身で感じることはあまりない。しかし、新幹線(こまち東京行き)に乗った瞬間にそれは強烈な現実となる。前後左右の座席からは異国の言葉が聞こえてくる。秋田駅から盛岡駅までの停車駅は、大曲、角館、田沢湖。いずれも秋田県の主要な観光地だ。どの駅からも多勢の外国人観光客が乗車してくる。東京駅に降り立つとそこはまるで日本ではないかのような錯覚を起こすほどだ。実は秋田にいながらにしてその影響を感じることもある。ホテル代の高騰だ。県外から友人がくるため、ビジネスホテルを予約しようとしたところ、宿泊費が通常の約3倍に跳ね上がっている。これは時期的(ハイシーズン)なことも関係しているのだが、それにしてもとんでもない値上がりかただ。それでも客室は埋まっている。ビジネスホテルが一泊2万円台の世界など想像すらしていなかった。
 話はかわるが、私の甥は成田空港で離発着の荷物を管理する仕事をしている。彼の職場では、あまりの忙しさに退職者が後をたたないという。その穴を埋めるために研修生という名の安価な外国人労働者が投入される。彼の同僚の半分は外国人だそうだ。私の日常にさしたる変化はないが、世界はものすごいスピードで変化している。その流れの先を読む者、否応なく流れに飲みこまれる者、その流れとは全く別の時間軸で生きる者、正解もなければ不正解もない。
(M)