久しぶりに神楽坂を散歩。神楽坂は早稲田通りと大久保通り交差点から外堀通り交差点までの全長約300m。坂の両側には所狭しとたくさんの店が並んでいる。飯田橋に東京日仏学院があるためフランス人が多い。休日の昼下がりで賑わってはいるが、人は多すぎずちょうどいい。古くからある店と新しい店のバランスもいい。講談社をはじめ出版社も多く、個人経営の書店もけっこう残っている。老舗のお茶屋の店先でほうじ茶を炒っていて、その香りが晩秋の街を包み込む。箸屋、和菓子屋、紙屋、本屋をひやかし、大久保通り沿いにある古い銭湯へ。風呂からあがり、隣にあるこれまた古いラーメン屋でビールと海老ワンタン。ほろ酔いで路地を一歩入ると石畳の道。老舗高級料亭のならぶ路地裏を歩いていると、なんだか昔の文豪にでもなったかのよう。最後は毘沙門天にお詣りして〆。
20年前、1年だけこの街に住んだことがあった。その時は若すぎて(ガキすぎて)ちっともこの街の魅力に気がつかなかった。
時刻は20時。車は飯田橋方面から早稲田への一方通行。朝になるとこの一通は逆になる。これは、故田中角栄が、目白の自宅から国会へ向かう時間は早稲田→飯田橋、国会から目白へ帰る時間が飯田橋→早稲田となる。時の権力の強大さをうかがい知ることができる。
(M)