343. 2025年7月4日トランヴェール
 秋田新幹線に乗ると必ず前部座席背面のネットに入っているJRの月刊誌「トランヴェール」を読む。トランヴェールは1988年創刊。JR東日本、山形・秋田・上越・北陸の各新幹線とJR北海道の北海道新幹線に搭載している。
 雑誌は「旅」にまつわる、名だたる作家の「巻頭エッセイ」から始まる。このエッセイに2021年6月、沢木耕太郎氏が無明舎の『嘉永五年東北』という本を取り上げてくださったことがある。JR東日本の新幹線内でしか読むことができないにもかかわらず、反響が大きく、注文が殺到した。エッセイが終わると、その月の「特集」がはじまる。フルカラーで約10ページにわたる特集は読み応えがあり、取り上げるトピックも面白い。今月の特集は、民謡開拓の父、町田佳聲(かしょう)。田植え唄、麦打ち唄、盆踊り唄など"民衆の唄"およそ2万曲の音源を記録した『日本民謡大観』を編纂した日本民謡界のレジェンド。この町田佳聲の足跡を民謡DJユニット俚謡山脈の2人が訪ねるルポルタージュ。夢中で読んでいたらあっという間に大曲についてしまった。
 毎月毎月新幹線にのるわけではないので、全ての号を読んでいるわけではないが、できることなら、定期購読したいくらい面白い雑誌だ。
(M)