11/14 昼。
約一ヶ月ぶりに千秋公園の立ち入り禁止が解除された。前日の冷たい秋雨が嘘のような秋晴れ。紅葉の盛りはすぎたものの、赤や黄色の葉はまだかろうじて風に揺れている。公園内は花見の時期にひけをとらないくらいの人、人、人。まるでクマなどいなかったかのような大賑わい。しかし、散歩やジョギングをしている地元民は少ない。8割がインバウンドの観光客だ。秋田犬と触れ合えるスペースには長蛇の列。次々と撫でられ、写真を撮られる犬たちはさぞ迷惑なことだろう。
活気を取り戻したことは喜ばしいが、やはり、近くにクマが潜んでいるのではないかと緊張はとけない。もし、今ここにクマが突然現れたらと最悪の事態を想像してしまう。ミルハスからナカイチ、中小路を通り秋田駅まで人の波が途絶えることがない。ほんの24時間前はほとんど人とすれ違うこともなかったのに。
秋田駅改札前の巨大な秋田犬のぬいぐるみのまえには、ヒジャブを被った女性たちの集団。楽しそうにぬいぐるみを囲んで写真を撮っている。
駅通路を通過し、東口にでると、同じ街とは思えないほど閑散としている。まあ、こちらが本来の秋田の姿なのだが。なんだか狐にばかされたような日だった。
(M)